◇2階に廊下はない方が良い
2階の間取り図を見たとき、こんな感想を持ちませんでしたか?
「2階の廊下が長い。」
「2階の廊下が暗い。」
これは実際に、非常に多いご相談内容です。長方形の建物の場合に、特にこういう悩みを持っている方がが多いですね。なぜこのような現象が起きるのでしょうか。
最近ではコンパクトにまとめる間取りが多く、廊下にスペースを取られないよう工夫がされているものもあります。そもそも2階に廊下がある必要性はあるのでしょうか。
廊下は部屋から部屋へ行くための通り道という「通路」としての役割を持っています。それゆえ、廊下に使う面積はなるべく小さくしたいもの。なぜならその分他の部屋を広く充実させることができるからです。
それでも敷地や建物の形状から、2階廊下をどうしても長く設けなければならないパターンも、確かにあります。
廊下が長い、暗い・・・。今回は、そんな悩みを解決するべく考察してみましょう。
◇どこから登ると、どこに着く?
まずわかっておいて欲しいのが、2階の廊下を短くする方法はあるということです。
結論からいうとそれは、『2階の真ん中あたりで上がりきる事』
真ん中あたりで上がりきると、両サイドに部屋を配置できますので、必然的に廊下が短くなります。そして2階ホールを取ることもできます。
つまり「これができていない」か、「これができない状況にある」か。このどちらかということです。
これを可能にするにはどこから始まる階段なのか?そして階段の形状はどうなのか?この関係を考える必要があります。
実際には「玄関の位置」や「リビングの位置」、2階の間取りなども関係しているため、なんとも言えない部分ではありますが、イメージしやすい間取りを例に考えてみましょう。
【どこからの階段か】×【階段形状】 で検証していきましょう
◆リビング階段+直線階段の場合
2階の端の方で登りきってしまうと、必然的に廊下は長くなります。直線階段を選択したときに、そのような状況になるということは、「1階の真ん中あたりから登り始めている」ということです。当然ですよね。
このパターンにおちいるということは、真ん中にある部屋、つまり一般的にリビングから登り始めているということが多いことになります。もしくは、1階廊下の奥のほうから登り始めた場合も想定されます。
階段の登り始めの位置がこのような場合は、「折り返しの階段」にすると2階の中心部分に出てこれますね。廊下にスペースを取られることなく両サイドに部屋を作ることができます。
◆玄関階段+折り返し階段の場合
玄関階段にしている場合は、登り始めは家の端のほうです。そこから折り返してしまうと、結局2階の端の方で登り切っているということになります。
このような、建物の端から登り始めるような場合は、直線階段とすることで2階の中央に出られます。外壁沿いに階段があるのであれば、90度曲がり階段がよいということになります。
どの間取り・形状にも当てはまることではありませんがここから見えるのはやはり先ほどの
【どこからの階段か】×【階段形状】というものの関係性が、ポイントと言えるでしょう。
◇階段にも食い合わせの悪さがある
ここでわかってきたことは、住宅的な「食い合わせの悪さ」です。
◉リビング階段 × 直線階段
◉玄関階段 × 折り返し階段
このどちらかのパターンが食い合わせの悪さ。つまり「2階の廊下が長くなる」、「暗くなる」という現象が起きることが多いパターンということのようです。
実際のところ玄関の位置やリビングの位置、2階の間取りなども関係しているので、全てがこれに当てはまるということはありません。ただ、スタートの考え方としては「この食い合わせを考えたほうが、うまくいきやすい」と良いと思います。
「子供が帰ってきたら、リビングを通ってから2階へ上がってほしい」とか、「2階の部屋数やドア数が多いので廊下は欲しい」など、色々な希望もあるかと思います。その中で、この「食い合わせ」を少し意識するだけでも、スムーズな間取りの検討が進むかもしれません。
このプロセスが理解できたのであれば、もう大丈夫ですね。
快適な間取りのために、頑張って下さい^ ^