◇バルコニーの位置
多くの方が2階の寝室か子供部屋にバルコニーを計画しているでしょう。
バルコニーは、どの位置にありますか?そのバルコニーは何をするためのものですか?
設置する目的の上位の3つを見てみましょう。
◉洗濯物を干す
◉布団を干す
◉タバコを吸う
天気の良い日は寝室や子供部屋の横を通って、洗濯物を干して取り込んでを繰り返していることでしょう。外に出て景色を見たいとか、となりの部屋に外から入りたいという理由でバルコニーを設ける方は少ないですよね。
バルコニーとは、実用性として必要な場所なのです。決しておしゃれだから設置するというものではないのです。
ですが、たまにこんな事例があります。
「バルコニーを端から端まで作るよう計画しました」
確かに外観からの見た目では、端から端までの方がすっきりしそうな気はします。広いバルコニーは、隣接しているどの部屋からも行き来できますし、どうせ作るなら・・・という考えの方が多いのではないでしょうか。
端から端までのバルコニーは、一般的な間取りの場合、3部屋程に渡ってバルコニーが存在することになります。
つまり子供部屋、ホールや廊下、寝室などのバルコニーがつながっているということ。たしかに一見、問題はない気がします。
果たしてそうでしょうか?次に、何が問題なのか考えてみましょう。
◇『今』しか見ていない?先を見ることが大事
その繋がったバルコニー、それは『今』のことだけを考えてませんか?今便利だから。今おしゃれだから。今子供が小さいから。
では、子供が思春期を迎えた時にはどうでしょうか?
子供たちはなるべく親に知られたくない・見られたくないなどの感情を持ち、少しずつ親から離れていくものです。親が見てくれているという「安心感」というものは、思春期の子供にとっては「干渉されている」という迷惑行為になりかねません。
思春期というのは、将来自分の力だけで歩くために、一人で物事を選択するために必要な時期です。
また、寝室から子供部屋にかけてバルコニーが通っているということは、プライバシーをお互いに保てなくなるということでもあります。
子供目線で考えると、親が洗濯物を干しに来るたびに「部屋を見られている」と感じるのです。きっと良い思いはしないですよね。
◇子離れをしないと、大人になれません
親の目線から見ても、子供の友達が来るから早く洗濯物を取り込まなくちゃ!という場面もあるかもしれません。いくら子供の友達だとしても、家族以外には見られたくないものだってあるはずです。
確かに親からすれば、こどもが何をしているのか、非常に気になるところではあります。見ていないところで、もしかしたら・・・と心配するのは親として当然のことですし、誰もが通り抜ける道でしょう。
ですが、思春期は、親離れ・子離れをするために大切な時期です。自分だけの空間を作ってあげることで自己形成が進みます。
何が良くて何が悪いのか、特に思春期は自ら考える時期なのです。色んなことに向き合う時期。自分の意見を持てる大人になるための成長過程。
よく考えると、防犯面から見ても、子供部屋にバルコニーがあるのはちょっと怖い部分もあります。夏は窓を開けっぱなしにしていたり、大人ほど注意深くない子供たちは、夜でもカーテン開けっぱなしなんてこともありそうです。
外部からの危険要因は、どこまで防御しなければいけないのかも良くわかりませんが、考えておいて損はないはずです。
間違いなく言えることは、こどもを守るのは大人であり、親だということです。
そして立派に成長してほしいと願うのは大人であり、親だということです。
その願いがあるのであれば、繋がったバルコニーは子供部屋には不要なものと考えます。
ぜひ参考にしていただければ幸いです。