◇ビー玉は転がる?
建物ができた際、または住んでいる時。
よく「ビー玉が転がるんです!」のような苦情があります。
あれは絶対にやめた方がいいです。
ただご自分を不安にさせるだけであることがほとんどです。
あの丸いビー玉はわずかな傾きでも転がるため、
家の傾きを知るための正確な情報は得られません。
【ビー玉は転がります】
まずご理解いただきたいことがあります。
それは「建物は人の手で作られている」ということです。
もちろん国が指針としている規定はありますし、全国の建築業者はそれを元に施工しております。
そしてそこには、許された「誤差」というものがあります。
手作りゆえの施工誤差と許容範囲内の施工誤差
これらのことから、
家の傾きをゼロにすることは不可能と言い切ってもよいでしょう。
◆数字でみる誤差
許された「誤差」っていったいどのくらいなの?
と思う方は多いでしょう。
新築の場合、傾斜角度 1000分の3以内は問題発生が低いと示されています。
つまり、1m離れた場所が3mm以下の高低差であるということです。
中古の場合は、傾斜角度1000分の6以内とされています。
新築の倍の高低差が許容範囲なんです。
その誤差は、常人が歩いてわかるようなものでは決してありません。
その誤差の範囲でも、ビー玉は十分に転がります。
そして仮に、誤差なくぴったりで仕上げられたとしても、その資材には製作の誤差があります。
時間とともに沿ってきたり変形したりもあります。
材質によって、ビー玉が転がりやすい、転がりずらいもあります。
実際のところ、上記のような品確法の参考基準はありますが、
欠陥住宅の断定となると難しいようです。
もしもその規定から大きく外れるような床だった場合、そもそも歩いた感じで必ずわかります。
傾いているような、フワフワするような。
そうなっている時にもビー玉は良く転がります。
欠陥住宅と決めつけてしまうと、
・施工会社とのしなくてよいトラブルの発生
・本当はしなくてもよい補強工事
など起こりかねません。
そこには必ずコストもプラスされますよね。
何かしら影響がある場合は必要な行為でしょう。
◇必要かどうかの判断
家の傾きがやっぱり気になる!という方は、
ホームインスペクター(住宅診断士)に頼むことで解決されるかもしれません。
費用は明確には示せませんが、10万円以上もかかると言われていたり…
調べるという行為については良いと思います。
ですが、そのツールとしてビー玉を使わないでください。
ほんの少しで良く転がり、不安を募らせるだけです。
そのくらい、ビー玉が転がるという現象は、衝撃的に写ってしまうからです。
記憶に残り、気になってしまいます。
例えるなら、「彼氏の携帯電話を見る」という行為に似ています。
悪いことはあっても、絶対に良いことはありません。
明らかな傾きにより、めまいやふらつきなど体調不良が起こる場合は
必ずプロに見てもらいましょうね。
快適な居住空間と、心と体の健康には深い繋がりがありますよ。