▼吹き抜けを造りたい理由▼
先日、このようなご質問をいただきました。
「小さい吹き抜けを作るときの注意点を知りたいです!」
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吹き抜けは庶民の憧れといっても過言ではないくらい、要望としてあがってくるもの。しかし、そこには吹き抜けにしたい理由が存在するはずです。
インターネットで検索すれば、吹き抜けデメリットも今や当然のように上がってきます。吹き抜けにはデメリットがないとは言い切れません。それでも解消する手はありますし、デメリット以上に取り入れてよかったと思えるのかどうか、デメリットを踏まえた上で計画していくのかどうか、一度考えてみませんか?
そんなことを一緒に考えながら早速解説していきたいと思います。
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まずわかってほしいことは、この大きい・小さいという感覚は、比較対象がなければ成立しません。
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なんか難しい言葉を使ってしまいましたが、簡単に言うと「30帖の部屋に3帖の吹き抜けは小さい」でも、「10帖の部屋に3帖の吹き抜けは大きい」というようなことです。
つまり、「○○帖だから小さい」ということではなく、部屋に対して、どのくらいの割合なのかということがまずは大切です。
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そして、もう一つ。その吹き抜けは「何の目的で設置するのか」ということが重要です。
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採光の目的なのか。それとも開放感なのか。2階の子供の存在を確認したいのか。リビングを基点とした一体感なのか。
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目的によって、大きさのとらえ方は違ってくるのです。
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単純に「採光」という考えでいくと、60㎝×60㎝の穴が天井に空いたようなものもあります。「トップライト」といって、光を誘導するためのもの。
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これも一種の吹き抜け。目的がはっきりしているので、無駄に大きくする必要はなくこの程度の窓でも採光は取れるということなのです。
しかし、冒頭でお伝えした、小さい・大きいが関わってきますので、どのくらいの面積にトップライトを取り付けたいのか、という部分も考えなくてはなりません。ハウスメーカーの担当者や設計士に「採光の目的で取り付けたいという具体的な希望を伝えれば、明確なサイズを提案してくれるはずです。
まずは目的を明確にしましょう。
家のどのエリアに計画したいのかは、目的がはっきりすると自ずと決まってくるでしょう。
▼解放感と明るさで考えてみました▼
その前提を踏まえた上で、今回はあくまで一般論的、「開放感」と「明るさ」という2つの面で見ていきたいと思います。
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◎まずは「開放感」から◎
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吹き抜けを造る上での「ベース」になる考え方があります。
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何かというと「いい開放感だなぁ」「広々としていていいなぁ」と、感じることができる時間帯に、どこにいますか?ということです。
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そして多くの場合、それは【リビング】です。
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もう少しピンポイントでいうと、【ソファーからテレビまでの空間】のことです。
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最もくつろげる時間、ゆっくりとその開放感を味わえる空間の上部が、「吹き抜け」であることが重要だということです。
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仮にキッチンの上が開放的だったとしても、それを感じることなんてありませんよね。それが吹き抜けのベースになる考え方です。
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ここからわかる、小さな吹き抜けのポイントは・・・
【くつろぎの時間を過ごす場所。その上に造るべし】ということです。
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◎次に「明るさ」について◎
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きっと吹き抜けには、窓を設置しますよね。そしてその吹き抜けが小さいということはどういうことか。
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それは「窓と壁の距離が近い」ということ。これを意識しなければいけません。
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過去の投稿で、方角と太陽の高さの関係性を説明しました。
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吹き抜けの明るさを語る上で重要なのは「直射日光」を「部屋の奥まで運んでくれる」ということです。
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そこをないがしろにはできませんので、直射日光が遮られることにはなりませんよね。
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西、東の窓は太陽の高度が低いために遠くまで光を届けます。
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ですが小さい吹き抜けの場合、その壁も近くにあることが多いため、せっかくの直射日光がその壁に当たってしまうことになります。
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その点、南向きの窓は太陽高度が高いため、壁に当たることなく直射日光を届けます。
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であれば、小さな吹き抜けで考えなければいけないことは・・・
【南向きに窓を配置するべし】ということです。
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逆に、東西にあえて窓を向けて反射させ、壁全体を光らせて柔らかい光にする。そして全体をほんわり明るくするという手法もあります。
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ですが、基本的には「直射日光」を大切にする方が多数派だと思います。
▼まとめ▼
もう一度まとめますが、小さい吹き抜けを設置するときのポイントは2点。
◆くつろぎの時間を過ごす場所。その上に造るべし
◆南向きに窓を配置するべし
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いろんな考え方、感じ方がありますので一概には言えません。
デメリットも出てくるでしょう。そこをどう解消していくかが快適な住宅への第一歩となります。
例えば寒い・暑いという温度の問題。
吹き抜け部分に取り付ける窓は高断熱のものにし、窓からの冷気をなるべくシャットダウンする。空気を循環させるために換気をうまく利用する、シーリングファンを取り付ける。
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1階の音が2階まで響いてうるさいという問題。
2階の部屋の配置を考えることも解消ポイントです。年頃のこどもがいるならば、吹き抜け部分から遠い位置にこども部屋を配置する、リビング階段を計画するときも同様の問題となります。
しかし、これがデメリットと呼ばれるのかどうかです。
それ以上にコミュニケーションがとりやすくなったという声もあります。
逆に考えれば、賑やかに感じらたり、2階への繋がりができるということにもなります。
単純に吹き抜けを計画することはできますが、どうせなら深く掘り下げて考えてみると、もっと見えるものがでてくるかもしれません。
今回は小さくても吹き抜けが欲しいという方の、一つのヒントとして参考にしてもらえれば光栄です。