◇地下室は何のため?
建築物には、たいていの場合全部、もしくは部分的に地下室になっている箇所があります。
あの地下室は必要なのでしょうか?
そもそも何のためにあるのでしょうか?
実はあの地下室、名前を「PIT(ピット)」と申します。
別に地下に秘密基地を作りたいわけではありません。
何かを隠していたいわけではありません。
まして、収納が足りないから作ったわけではありません。
ピットというものは、水廻りの配管を集約するために存在しています。
なのでトイレやキッチン、ユニットバスなどの下にピットがあるのです。
◇配管をピットに集約する理由
配管を集約するために、わざわざピットは作られています。
そんなことをしなくても、土に埋めてしまえばいいんじゃない?
そう思われることもありますが、もちろん明確な理由はあります。
例えば配管を土の中に埋めてしまったとしましょう。
配管設備というのは建物よりも寿命が短く、壊れてしまうこともあります。
そんな時、埋めてしまったらどうなるでしょうか。
点検や交換作業をするために、床をはがして土を掘り起こし、壊れた場所を探し当てて、直して戻す。
そんな大々的な工事がいちいち発生してしまいます。
つまりその作業ができなくなってしまうため、埋めてはいけないんです。
人が入って点検を行うため、また修理を行うためにピットという名の「地下室」は必要なのです。