◇良く耳にする「外断熱」
「外断熱の家」などのCMを目にしたことがあると思いますが、実際どういうものか、ご存知ですか?
「外断熱」と聞けば、なんとなく良さそうな気がしますが、別に「内断熱」が悪いわけではありません。
簡単に説明するとこうなります。
外断熱・・・暖まりずらく、冷めにくい
内断熱・・・暖まりやすく、冷めやすい
これについてもう少し詳しく説明してみましょう。
◇外断熱、内断熱、それぞれの特徴
ここから、外断熱と内断熱を別々に説明してみます。
特徴が出やすいので、「鉄筋コンクリート造」で「冬」を想定しての説明になります。
◆外断熱の仕組みと特徴
「外断熱」というのは、読んで字のごとく、建物の外廻りに断熱材を張ったものです。
・外側の冷気の目線。
外側に断熱材がありますので、外の冷たい空気は壁自体を冷やすことなく、いきなりシャットアウトされます。
・内側の暖気の目線。
本来は部屋の中を暖めたい。
にも関わらず、その熱はまず冷たいコンクリートを暖める。
つまりは、部屋はなかなか暖まらない。
壁が暖まる⇒部屋が暖まるという順番なので、暖まるまでに時間がかかるというデメリットを持っているのが、「外断熱」の特徴です。
ではなんで人気があるのか?
それはズバリ「壁が暖まるから」ですね。
同じことを言ってるだけですって?
その通り。表裏一体です。
いったん暖まってしまった壁は、なかなか冷めません。
なにせ、コンクリート自体が暖まってしまったのですから。
つまり、暖房を切っても冷めないという、保温状態に入ります。
要約すると。
昼間に窓から入った太陽のぬくもりがコンクリートを暖め、夜の寒い時間にも保温してくれるので、とても経済的だということ。
これが、外断熱を推進する人たちの思う、大きなメリットなのです。
◆内断熱の仕組みと特徴
「内断熱」というのは、建物の内側に断熱材を張ったものです。
・外側の冷気の目線。
内側に断熱材がありますので、外の冷たい空気は壁自体を冷やします。
ですが、内側に断熱材があるため、建物の中にまで冷気が伝わることはありません。
・内側の暖気の目線。
部屋の中を暖めたいから暖房のスイッチオン。
その熱は内側の断熱材ではじかれるため、すぐに部屋を暖めます。
つまりは、スイッチを入れてから間もなく部屋は暖まるのです。
この瞬発力が「内断熱」の持つ特徴です。
当然、デメリットはその逆。
「壁が暖まらないこと」ですね。
これも表裏一体。
壁自体が暖まっているわけではありませんので、暖房にスイッチを切るとすぐに冷えます。
保温効果は0に等しいのです。
要約すると。
暖房のスイッチを入れたらすぐに暖まり、切るとすぐに冷える。
ずっといる必要のない部屋に、とても適した断熱方法なのです。
これが、内断熱のもつ大きなメリットなのです。
◇結局、どちらが良いということではない
外断熱には外断熱の良さが。
内断熱には内断熱の良さが。
それぞれにあるということがおわかりいただけましたか?
こういう特徴を踏まえて、以下のように使い分けられます。
◎住宅のような長時間人が住むような用途には「外断熱」
◎事務所など決まった時間しか人がいないような用途には「内断熱」
住宅と言えば「外断熱」
これは、間違っていないということが説明できたかと思います。