窓の配置のコツ。「壁を残す」こと


◇窓が多いという失敗

間取り検討でのひと幕。

 

「日当たりを考えて、窓を多く配置しました。」
・・・という
「失敗」

 

とても多いのは知っていますか?


経験豊富な建築士は「何かを多くしたい」という要望が来ると、「何が減ってしまうか」を真っ先に考えます。
この考え方はとても重要なポイントです。

◇増やすと、減るもの

なぞなぞのような見出しになりました。

 

でもこれは非常に大切な考え方です。

良いものに目が行って、悪くなることは考えない。

これを「後悔」と呼びます。

 

これを少しでも少なくする考え方が「増やすと、減る」というものです。

 

住宅の大きさは限りがあります。

全部で30坪しかないのにリビングを20坪とったら、10坪でそれ以外を計画しないといけない。

当たり前だとお考えでしょうか。

 

では「窓」はどうでしょう。

最初に書いたことをもう一度書きます。

 

「日当たりを考えて、窓を多く配置しました。」

 

この場合に考えなければいけない「減るもの」とは何でしょうか。

 

「窓」を増やすと、「窓のない壁」が減ります。

当たり前ですよね。

ですが、ポイントはその先です。

窓のない壁が減ると、何が起きるのか。

 

◎例えば、壁飾りができなくなる
◎例えば、見せたくないプライバシーがなくなる
◎例えば、家具を置けなくなる

 

お分かりですか?

明るい建物=窓を増やす、という安易な考えが生んだ悲劇。


間取り設計はバランスと、適度が大切。

 

ご注意ください。
増やす時には、まず減るものを考えてから。