断熱材の正体とは何か?答えはただの「空気」!?


◇断熱材をちょっと知ろう

「断熱材」とひと口に言っても、その種類はいろいろあります。
・グラスウール
・ブローイング
・発泡ウレタンなど
聞いたことのないものもあったかもしれませんが、これはほんの一例です。もっとたくさんの種類があり、用途によって使い分けられているのです。

 

その種類は、大きく分けると3つに分類されます。

 

繊維系・天然素材系・発泡プラスチック系

 

住宅で主に使用されているのが、繊維系断熱材や発泡プラスチック系断熱材です。

この2つに絞って、どんな特徴があるのか簡単に見てみましょう。

 

◉繊維系断熱材…ガラスを溶かして、繊維状に加工したもので、その繊維の隙間に空気を保っています。

例:グラスウールやロックウール、セルロースファイバーなど

繊維系は比較的安価でよく使用されています。ただ、水蒸気が入りやすいので、防湿施工が大事になります。

 

◉発泡プラスチック系…細かい気泡膜に空気を閉じ込めて断熱効果を高めます。

例:フェノールフォームやウレタンフーム、高発泡ポリエチレンなど

耐水性に富み、プラスチックなのに耐燃焼性に優れているものもある。高価なものが多い。

 

色々種類はありますが、これらに共通しているのは「やわらかい」ということです。ふわふわしているか、中がサクサクしているような材料だということです。

 

ここに、「断熱材は何か?」という正体があります。

 

実は、材料そのものには断熱性能はほぼゼロです。では一体、何が熱を遮断してくれているのか。

 

断熱性能の正体。それは・・・

 

『空気』です。

 

材料はこの空気の性質を利用し、メリットをいかに引き出して外部要因と戦うか、という工夫をしているのです。

どこにでもあるこの空気が重要ポイントなんですね!

 

いったいどういうことなのか、わかりやすく解説します。

◇空気を分割する?

断熱材の正体は「空気」だとでした。正確にいうと、「動かない空気」なんです。


◇例えばグラスウールの場合

ガラスを細くした繊維を固めてできています。ガラスそのものには断熱性能はほぼありません。ですが、ぐちゃぐちゃに絡まった繊維に囲まれた「空気」は、身動きが取れないという状態になるのはお分かりでしょうか。


この「動けない空気」は、熱の伝達を行いません。つまり、空気が熱を周囲に伝えるためには、「空気が動いている」ということが必要ということです。

 

その動かない空気が熱を遮断し、そのいくつもに分かれた部屋がたくさんあるからこそ、「断熱」になっているということです。

 

繊維がたくさんある=高密度=空気がより細かく分割されて動きにくくなる。このガラス繊維の密度も高いほうが断熱性能が高いと言えるんです。

 

◇例えば2重ガラスの場合
ガラス一枚では、基本的に断熱性能はありません。なのでガラスを2重にして、間に動かない「空気」を密閉することで「断熱」にしているという仕組みです。


ダンボールも、木材も、発泡スチロールも、理屈がわかればなんとなく理解できますよね。されに高性能を求めるなら、空気ではなく「ガス」を閉じ込めるとより効果が期待できます。

 

これは冬山で、猛吹雪の中にいるときは寒いが、洞窟に入ると寒さをしのげるというようなもの・・・少し違いましたかね…^ ^

 

いずれにおいても、空気の動きを抑えることを目的として断熱材料は作られます。

◇まとめ

断熱材の正体は、動かない空気。
リビングの前に玄関があるのは、「玄関」という動かない空気の部屋を作っているという、大きな空間での「断熱」の考え方です。

 

断熱の資材はさまざまあり、多種多様なものが出ています。弱点である「強度」をなくし、コンクリートの中に「細かい泡」を封じ込めることで、断熱コンクリートというものを実現していたりします。

 

日進月歩の世の中で、日々新しい発想は生まれています。ただ、その根底には「動かない空気」をどのように活用するのか、ということがあるわけです。

 

工夫次第では、気密性の良い空間を自分で考えて作り出すことだって可能なのです。

 

色々方法はありますので、良く考えてできそうなことを取り入れてみるのも良いですね。

ぜひご参考にして下さい。