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日本の「土間」の魅力。間取りのヒント


◇「土間」とは?

「土間」という空間はご存知でしょうか?


昔の民家には必ずあったスペースなのですが、今はあまり見られなくなりました。今は「土間収納」という形で、少し残っていたりはします。

わからない人のために「土間」とは何なのかを簡単に説明します。

玄関と居間の、中間のような役割の場所です。本来は「地面と同じ扱いではあるが、屋内の部屋」というもの。

 

基本的に土足で出入りするスペースで、昔の民家ではここに農機具を置いてみたり、農作物などの食物の保存に使われたり、かまどがあったりしました。


キッチン、玄関、収納、談話など、いろんな用途に使われていた、意外に万能なスペースなのです。

その多用途性から、最近では結構人気が出ていているようですので、現在の使い道を踏まえてメリットとデメリットを解説したいと思います。

 

◇現代の土間の活用法

土間には大きな魅力が詰まっています。使い道は現代でもホントに多用途なんです。

 

例えば・・・

◆植物をたくさん置いて庭のように

◆こどもの遊び場になったり、大人の趣味の空間、ガレージに

◆天候が悪い日は外でできない作業を土間で

◆家の中に置くのをためらうようなもの、例えば灯油や三輪車、ベビーカーなどの収納スペースに

◆昔と同様、憩いの場やコミュニケーション空間に

 

そんな空間使いができる土間だからこそ、魅力が再認識され土間スペースを設ける方が多いのです。

 

では、土間のメリット・デメリットは何でしょうか?

 

◉土間のメリット◉

何よりも「土足」であると言うことがポイントになるかと思います。土足であるという時点で、多少のよごれ、多少の傷などはすべて許容されます。

例えば床がフローリングだったとすると、砂が少しでも乗っかると「汚い!」となってしまいますよね?フローリングが傷ついてしまいます。でも土間はそうならないのです。


また硬いものをちょっとぶつけただけで、とても目立つ傷になりますよね?でも土間はそうならないのです。

外と内の、ちょうど中間的な存在だというのが、非常に「あいまい」でそれゆえに奥ゆかしさがある。そもそも日本の文化の結晶なのかもしれません。用途は考えようで、本当にさまざま使い道があるのが土間なのです。

 

床材は選択肢があります。

石やタイルにしたり、コンクリートにするのも良いですね。玄関の床材と合わせることが多いでしょう。いずれにしても強度のある素材が似合っている場所になります。

 

◉デメリット◉

何より「寒い」ということがデメリットです。


木材によって外部の冷気が遮断されているわけではなく、外部とつながっている床なので、どうしても底冷えし、寒くなってしまいます。あまり広く取りすぎると、寒いスペースが広くなってしまうので注意が必要です。


また、外部に面さない場所に土間を作ると、靴の脱ぎ履きが出てくるため、邪魔くさくなってしまうことにも注意したいところ。

 

寒さ対策に居室と土間間を建具でしっかり分けるのがオススメです。

 

開放的な空間を目指して、土間から繋がる廊下はあえて風通しの良いように仕上げるのもステキですが、長い時間を過ごす居室がくつろげなくなる空間になってしまうのは本末転倒です。

 

 

こうやって並べてみると、デメリットが少ない感じになってしまいますよね。そうなのです。これといって大きなデメリットが見当たらない、という大きな大きなメリットもあるのです。


傷汚れに対するメンテナンスが簡単なのが魅力の『土間』。水に強いので汚れたら洗い流してもOK。

 

雑に扱ってもその魅力を失わないという日本の文化、土間。


ご参考にしていただければ幸いです。