◆どうする?動線!
間取りにおいて、動線は最重要だと言っても過言ではありません。
確かに、動線をしっかりと確保することは生活の快適性に繋がります。
しかし、重要視すればするほどに難しく、結果良くないものになってしまうこともあります。
一言に動線と言えど、家事動線を始めとし、父・母・子の動線というように、考えることはたくさんあります。
そんな時に、辿り着く答えの一つに『どこからでも通れるように』というものがあります。
一見良さそうに見えるこの選択、実は不便を増やしてしまう可能性があります。
◆「どこからでも」という落とし穴
『どこからでも通れるように』という不便さとは、どういうことでしょうか。
例えば、いつも買い物に行くお店があったとします。
きっとそのお店までのルートは、1つや2つではないはずですが、あなたは毎回違うルートを使ってお店まで行きますか。
ほとんどの場合、何も考えることなく、いつも使っている道を使うのではないでしょうか。
そして、例えばそのいつも使う道が工事中のため規制されている等で通るのに時間がかかってしまった場合、「ああ、他のルートに行けばよかった」「迂回した方が早いかな」と、余計な迷いが生じます。
しかし、もしこのお店までのルートが1つしかなかったとしたら、「仕方ない」と思えることでしょう。
日常生活において、ストレスに感じることは「思った通りにいかないこと」に加え、「その時々で判断を変えなければいけない」ということです。
これは家の中でも同じことが言えます。
一見便利に見える「どこからでも」という動線は、「迷う」そして時に「やり直す」という一手間を作り出します。
一貫して『何も考えずにいつもの行動をすることができる』ということは、ルーティーンと言われる生活リズムを作り、これが生活のしやすさに繋がっているのです。
◆快適な家づくりを
上でも述べたように、「その時々で判断を変える」という煩わしさよりも、「多少遠回りになっても同じ道をとおる」方がストレスが少なく生活ができるようです。
むやみにドアを増やして動線をたくさん確保したとしても使わなければ意味がありません。
ドアが多いということは、その分壁も減ります。ドアとしての機能を果たすためのスペースを考えると、収納力も減ります。家としての利便性が失われていきます。
それどころか、煩わしさを生んでしまっては、意味がないでは済みません。
ストレスは些細なことから始まり、積もり積もって不満となります。
高いお金を払うならば、少しでも快適な家にしたいですよね、
ぜひ参考にしていただき、コストパフォーマンスの高い家を計画してくださいね。