ガルバリウム鋼板の屋根はうるさい?それ、半分正解です!


▼まずはガルバリウム鋼板を知る▼

「ガルバリウム鋼板」という名前、ご存じでしょうか?

 

最近この材料に関するご質問が多くなってきました。

 

以前までは、ほとんど建築業界の人しか知らないような固有名詞だったのですが、どうやら「劇的ビフォーアフター」で頻繁に放送されるようになってから、多くの人にインプットされたようです。

 

北日本に在住の方にとっては、ほとんどの住宅の屋根材がこの「ガルバリウム鋼板」一択のようになっているので、特に迷うことはないように思います。

 

ただ西日本在住の方にとっては、瓦屋根だったりスレート葺きだったり、多くの工法が採用されているため、意外とその素性を知らないという人が多いようです。

 

今回は、この「ガルバリウム鋼板の屋根」について解説したいと思います。

 

ちなみに、工務店の人が「ガルバ」といえばこのことです。

 

 

 

▼ガルバリウム鋼板って?▼

まずは、「ガルバリウム鋼板」というものの正体を暴きましょう。

 

あまり詳しく話してもしょうがないので、その材質をざっくりお話しします。

 

簡単に言うと・・・

「鉄板を亜鉛メッキでコーティングし、その上に塗装をのっけた」

というようなものです。

 

亜鉛めっきの力で「錆びずらい」、また鉄板のような薄い材質なので「加工がしやすい」というのが主な特徴で、そこに塗料が加わって「デザイン性も高い」というもの。

 

それに加えて、機械による大量生産が可能ということで安価に入手できることから、屋根にも外壁にも重宝する材料の一つです。

 

はい、ここまでがガルバリウム鋼板自体の、特徴の話でした。

 

長くなりましたが、ここからが本題です。

 

 

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▼ガルバリウムの屋根、その真実▼

良く聞かれる質問に、以下のようなものがあります。

 

【音がうるさいというのは本当でしょうか?】

【断熱性能が弱いのではないか】

 

この質問の答えとしては、こうなります。

 

『半分あっているが、半分間違っている』

 

ん?どういうこと?・・・ですよね。説明していきます。

 

先ほど書いた通り、ガルバリウム鋼板というものは、しょせんただの「鉄板」でしかありません。

 

なので遮音性も断熱性も、基本的に期待するようなものではないんです。

 

瓦屋根のようなものは、それ自体に遮音性や蓄熱性などがありますが、ガルバリウム鋼板にはそれが全くと言っていいほど、「皆無」なのです。

 

『じゃあ良くないものなの?』というと、そうではありません。

 

ガルバリウム鋼板自体は、あくまで「デザイン担当」であり、「直射日光の反射担当」であると考えてください。

 

それ以外の性能は、違うものが担当しています。

 

つまり遮音性や断熱性というものは、それに組み合わせるもので決まるということ。

 

これが真実です。

 

屋根で考えたとき、表面になる部分から順番に話していきましょう。

 

一番表面にはガルバリウム鋼板が存在します。デザイン担当ですので、屋根の「顔」です。

 

その下には板状の断熱材や、木材などがあり、さらにロックウール断熱材だったり、グラスウール断熱材だったり。様々な組み合わせが存在します。

 

その組み合わせというものは、メーカー各社が「工法」として提案しているものもありますが、そうでなくても設計者が勝手に選定しているということもあります。

 

いずれも理屈は同じです。

 

◇遮音を強くしたいなら、遮音材を仕込む。

◇断熱を強くしたいなら、断熱材を仕込む。

 

ただそれだけのことなのです。

 

 

▼ガルバリウムの屋根はうるさいのか?▼

 

結局「ガルバリウムの屋根」の性能というものは、下にどのような材料が採用されているかということがすべてであり、その種類は無限に存在します。

 

そして、これからも増え続けます。

 

なので、その土地の特徴や建物の用途、屋根の下にある部屋の特徴や構造によって、柔軟に選定しなければいけません。

 

【ガルバリウム鋼板の屋根なのですが、音がうるさいでしょうか?】

 

そんな質問が来た場合は、答えは簡単です。

 

【わかりません】

 

もうわかりますよね?

 

せっかくなので一例を出しておきましょう。

 

◆遮音を強くしたい場合◆

重たい材料を仕込むのが手っ取り早いですね。

 

例を出すのであれば「セメント系」の板材を仕込んだり、ブローイングなどを採用すると良いでしょう。

 

◆断熱を強化したい場合◆

断熱材を多く、厚くすればよいということです。

 

例を出すなら、板状断熱材を仕込んだり、発泡ウレタンを採用したり、天井裏にグラスウールを設置したりすれば改善します。

 

 

とはいえ、天井裏の環境も検討しているのということも、設計の仕事だというのも理解してください。

 

天井裏が結露したり、カビだらけになったり、とてつもない暑さになって2階の天井暖房になることもあります。

 

そうならないように、建物全体のバランスを考えて、建物は設計されていますので、要望を伝えるときには注意が必要です。

 

単純に「断熱材を厚くしてください!」というのは危険だということ。

 

「断熱を気にしているので、屋根の断熱を強化してもらいたい」という風に伝えてください。

 

そしてしっかりと検討してもらってください。

 

きっと良いアイデアをもらえると思います。

 

ガルバリウムの屋根はうるさいのか?その答えを解説しました。

 

ご参考にしていただければ幸いです。

 

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