▼下駄箱=圧迫感?▼
ご相談されるお客様からときどきこんな質問が飛んできます。
「玄関に下足箱は必要?」
その質問の意図を聞くと、「玄関が狭いので、圧迫感ができてしまいそう」と答えます。
・・・なるほど。
しかし、玄関は家に入るための入り口ですよね。ということは必ず靴がそこに存在するわけです。それを片付けるための収納として、下足箱はあったほうが良い。大抵はそう考えますよね。
では逆に下足箱を設けない場合、靴の収納先はどこになるのでしょうか?
玄関の近くに設けられた収納スペースでしょうか?玄関が狭いので、そのようなスペースを計画している方も多いことでしょう。玄関の上がり口の横の設置した下駄箱よりかは離れた場所になってしまうでしょうし、やっぱりすぐに手の届く範囲に下足箱があったほうが使い勝手は断然良いはずです。
希望としては・・・
・狭くても下足箱を置きたい
・使い勝手を重視
・玄関は来客者から見られる場所だし、スッキリさせたい
・何より圧迫感をどうにかしたい
玄関が狭いという方はきっとそのようなことを望まれていますよね。
狭くても下足箱を置けて圧迫感を取り除けることができれば、これらの悩みは解消されるはずです。
なので今回は、そんな下足箱の圧迫感の正体を解説します。
▼人間心理が解消のポイント▼
以前、玄関の狭さの限界について投稿しました。玄関とホールを合わせて、幅90cm奥行き140cmで成立するという内容でした。大抵は、それ以上のスペースはありながらも「圧迫感」を気にして下足箱をなくそうとします。
ではその圧迫感の正体は何なのかというと・・・それは「見た目」なのです。
「目で見たときに、何かしらの圧力を感じる」というわけですから、もしも目がなければ、圧迫感は感じないことになります。
じゃあどこを見たときに圧迫感を感じるのかというと。
それは【目線よりも上のゾーン】なのです。
人間は目線よりも上の空間で狭さを感じたとき、「圧迫感」を覚えます。逆に目線よりも下がいくら狭かったとしても、圧迫感は感じずらいということ。
つまり「開放感」を感じたければ、目線よりも上に物を設けなければよいということになるわけです。
よく「背の高い家具を設置すると、圧迫感を感じる」ということを聞いたことはありませんか?なのに、机やベッドがたくさんあって、歩けるスペースがほとんどない子供部屋では、そんなに圧迫感を感じません。それは、こども部屋というのは背丈の低い家具が多いため、狭く感じづらいのです。
歩いたり、座ったり、実際に使うのは床なのにもかかわらず、狭さを感じるのが目線よりも上というのは、少し変な気もしますが、事実なのです。
見えてきましたね?
▼下足箱を設ける方法▼
では玄関で、圧迫感を感じることなく下足箱を設ける方法はどんなものがあるでしょうか。
答えは『目線より下の下足箱にすればよい』ということです。
高さ150cmの下足箱は商品としていくらでもあります。収納力を期待して、天井までのシューズクロークを設けようと考えれば、それは「圧迫感」を生みます。
良い間取りは「機能性」が最優先であり、「出来栄え」はその次と考えるべきです。「おしゃれは我慢」なんて若いから耐えられるわけで、年を重ねるとただのストレスとなるものです。
そういう意味で、玄関には下足箱を設けるべきであり、置きたくない原因が圧迫感にあるのであれば、腰下のものを選定しましょう。
これでおそらく、圧迫感は生まれずらくなります。
▼収納の一工夫▼
玄関にあるものといえば、靴の他に傘やシャボン玉など、こどもの外遊び用品もあるという方も多いはず。来客用のスリッパを置いている方もいますよね。
靴は様々なシーンに合わせてたくさんの種類があるので増えるのは当然です。こどもの成長とともにサイズが合わなくなった靴もいつまでも置いてるもの。それが普通のご家庭の状況です。
そして、収納というのはあればいいというものでもありません。
人は仕舞うところがあれば不要なものまで収納してしまいます。必要以上に過度の収納スペースを取るのは、プラスなことばかりではないことを理解してください。
スペースがあると不要な靴は眠りやすくなります。目に見えないと忘れていってしまうもの。スッキリ感を意識しすぎて使いづらい結果になってしまわないようにしてくださいね。
◉オススメの収納法
・冠婚葬祭用などの必要だけど使用頻度が低い靴は、100円ショップなどの収納グッズで重ねて仕舞う
・棚板の高さを見直して、靴の高さを揃えて!
・棚板と扉の間の隙間を有効活用!
…下足箱の扉側にタオル掛けをつけて、スリッパやタオルなどを収納しましょう。急な来客にもすぐに対応できるし、雨・雪で濡れた服や体をすぐに拭くことができます。
・下足箱の色を工夫
…壁面に合わせて色の薄い下足箱にしてみると、目立った出っ張りではなくなるため、圧迫感を感じづらくなります。
今はお手頃な値段で上手に収納するものを手に入れることができます。色んな人のアイディア
を取り入れてみてください。狭くても工夫すれば必ず変わります。
ぜひご参考にしてみてくださいね。