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確認申請済。その後に変更できますか?


◆確認申請後の変更

今、マイホームの打ち合わせ中の方も、いずれ、打ち合わせが全て終了すると正式に契約を結ぶときがやってきます。

 

ここまで、しっかりと考え抜いてきたから問題ない!と、確認申請を提出すると思います。

 

しかし、確認申請後に図面を見返してみると、こうすればよかった…と変更したいところを見つけてしまう場合があります。

 

実はこの事態、そんなに稀ではありません。

 

「確認申請を提出した後は変更ができないと言われました。無理なのでしょうか。」と、悲壮感漂う質問をよく頂きます。

 

今回は、建築確認後、実際に変更はできないのかどうかについてお話していきます。

 

◆変更できます

タイトルにもあるように、ずばり結論から言いますと、確認申請後でも変更は可能です。

 

変更といっても様々な種類があり、これらは以下の3つに分類されます。

 

①変更でないもの

②軽微な変更

③計画変更

 

順番に説明していきましょう。

 

①変更ではないもの

変更したいのに、変更ではないものに分類されるというと、何だかおかしい気もしますが、住宅を建てる上では何ら支障がないものを言います。

 

例)

・クロスの色を変更

・フローリングの樹種の変更

・照明器具のデザイン変更

 

これらは、どんな種類のものを入れる等の詳細が設計図に記載されていないことがほとんどです。

 

例えば、クロスに関しては、設計図上クロスの色までは表記されておらず、「ビニルクロス」という様な表記がしてあります。

 

つまり、どんな色や柄にしようと、変更に値しないのです。

 

②軽微な変更

これは①とは違い、書類上の変更が必要となります。

 

しかし、変更の中でも「軽微」とあるように、法的な審査はなく、一筆書き加えて訂正する程度のものになります。

 

また、これは変更したタイミングまたは、完成時に提出すればよいものなので、さほど労力もかかりません。

 

一概には言えませんが、ざっくり言うのであれば、「構造上安全に向かうもの」や「施主が不利となるもの」の場合は、この②軽微な変更に値することが多いです。

 

例)

・建物の高さの減少

・床面積の減少

・部屋の用途変更

 

建物の高さが減少すると、建物が軽くなるので安全に向かうといえます。

 

また床面積の減少は、減らしても減額されないことを考えると、同じ料金を出している施主にとっては不利となります。

 

もちろん工務店やハウスメーカーによりますが、この程度の変更であれば、多少の労力がかかっても施主にお金を追加で請求せずにやる場合が多いようです。

 

③計画変更

これは①や②とは違い、法的審査が必要となり、労力としては、はじめの確認申請と同等のものになります。

 

つまり、「確認申請の出し直し」です。

 

例)

・建物を少し大きく変更

・天井を高く変更

・建物の位置を変更

 

大きさや高さ、位置を少しだけ変更するにしても、建築上は大きな変更に値します。

 

工務店やハウスメーカーからすると、やめときませんか?と抵抗したくなってしまう気持ちも分かる気がします。

 

しかし、図面も書類もゼロから作り直すわけではないので、無理ということはありません。

 

◆なぜできないと言われるのか

確認申請後でも、変更は可能とお話してきました。

 

しかし、実際に工務店やハウスメーカーの担当者から「変更できません」と言われたという方は少なくありません。

 

では、なぜできないと言われてしまうのでしょうか。

 

考えられる理由を2つお話します。

 

1⃣知らない、無知

 

こういう手続きをすれば変更が可能と知らないケースがあります。

 

2⃣めんどくさいので施主に知らせない

 

ここまで話してきたように、変更には少なからず労力がかかります。

 

やらなくていいなら、やりたくないと思ってしまうものです。

 

よって、「できない」という口実をつけて変更を考えさせないというケースがあります。

 

◆悔いのない選択を

建築確認申請後の変更は可能です。

 

できないということはありませんが、お金は当然かかると思っておいた方が良いでしょう。

 

また、変更の内容によっては、担当者との関係が悪くなったり、時間がかかったりする可能性もあります。

 

しかし、今建てようとしているのは、あなたが一生住んでいくであろう、あなたの家です。

 

一度気になってしまったもの、住み始めてからもきっと気になってしまうのではないでしょうか。

 

思い切って変更をお願いするのもひとつの手です。

 

もしも変更したいという事態が生じてしまった場合は、あくまで低姿勢でお願いすることを提案します。

 

進むも止まるも、あなたの気持ち次第ですが、後悔のない選択をしてほしいと思います。

 

ご参考になれば幸いです。