◇「家」は高いのか、安いのか。
突然ですが、住宅価格の全国平均って気にしたことはありますか?
◇平均延べ床面積:39坪
◇平均建築費(土地代含まず):3300万円
これが、全国の住宅の平均だそうです。
今回はこれをベースに『家は高いのか、安いのか』という話からはじめたいと思います。
まずは「家」の1日あたりの金額を算出してみましょう。
日本の住宅寿命は約30年と言われいるので、日数にすると10950日です。
ここから計算すると「家」というものは、1日あたり【3013円】ということです。・・・ピンと来ませんよね。
ではこの金額を、他のものと比較してみます。あくまで、全国平均のデータから算出してみます。
●4人家族の「食費」、1日あたり平均【2260円】
●「車」の購入価格平均が398万円。6.9年ごとに買い替えなので、1日あたり【1580円】
●「子供」が生まれてから、大学を卒業する22歳になるまでの養育費の平均が3030万円なので、1日あたり【3773円】
●4人家族の生命保険などの「保険料」、月額平均が43000円なので、1日あたり【1433円】
単純に費用だけを見比べてみると、「家」は「子供」の次に高価な買い物ということになり、「食費」も劣らずにコストが掛かるということがわかります。
こうやって分割してみると、一日当たりの費用を知るのってけっこう重要だとおもいませんか?家づくりというものは、とことんお金がかかるものなんですね。
◇「家」と「こども」を比較すると
家づくりは、子供にかかる費用の次に高価な買い物とお伝えしました。
では今度は、費用ではなく「現実」にスポットを当てて比較してみましょう。
子供ってお金で表せない部分が大半ですよね。子育ては毎日の積み重ね。頑張ったり怒られたり笑ったり泣いたり。一気に大人になるわけではありませんので、少しずつ時間と愛情とお金をかけて育てていくものです。
これに対して、家はどうでしょうか。
1〜2年程度の短期間で、一気に出来上がってしまいます。「ゆっくりと見守って」なんて言ってられる場合ではありません。わかっていようがいまいが、時間が来れば決断を迫られます。
例えその決断が自分たちの思惑とは外れていたとしても、その決断通りに工事は進みます。そしてみるみるうちに完成してしまうのです。
子育てもマイホームも。どちらも同じく、正解はありません。
ただ、子育ては時間がかかるがゆえに、間違えたとしてもじっくりと修正ができます。
でも家は違うんです。間違っていたら、それで終わり。出来上がってしまえば、修正をかける場合は莫大な金額と時間を削り取っていきます。
それでも、寿命が来るまでは毎日3,013円をとられ続けます。
たとえば納得していなくても。たとえば住みづらくても。
◇理想を追う建て主vs現実を知る設計担当
不安にさせるようなことかもしれませんが、事実としてそういう思いをした人はたくさんいるのです。そしてそれを現実として知って欲しいのです。
家づくりに対して理想や憧れを持っている方はたくさんいます。ですが、いざ設計担当に思いを伝えてみると、「それには〇〇〇万円かかるので予算よりオーバーしますが大丈夫でしょうか?」ということになります。
『こだわり』というものは、多くの場合『高価』とイコールでつながります。設計担当は現実を見ている人たちなのです。
費用の話しをされるのは当前ですので、本来はそこで気分が下がったり、楽しくないとなる必要はないはずです。そこに「理想」という名の思い込みがあり、「現実」を見ていなかったというだけの話。それがわかっていればいれば、落ち込むことも少ないはずなのです。
そのためには、少しでも情報を得ることが大切。それこそが唯一、現実的な家づくりの手助けとなります。
◇家づくりとは、理想ではなく現実
今までに配信しているブログ記事を見てくれている方は感じているかもしれませんが、ここでは常識を否定するような情報を多く発信しています。
それはなぜかというと、「憧れ」や「理想」だけで家を計画して欲しくないからです。
そこにちゃんと「現実」をのせてほしいからです。
憧れは、時間とともに風化してしまいます。逆に現実は、時間とともに大きくなります。その現実が、もしも不都合なものだった場合、後悔とストレスとなってそこに居座り続けるということになってしまうのです。
高校生が、憧れだけで勉強することなく「将来お金持ちになりたい」と言ったらなんと言いますか?きっと「現実を見なさい」と言いますよね。家作りもそれと同じです。
何も考えずに、なんとなく良いと思っているものだったり、そう思っている人が多いもの。使いずらくしかも高価なのにも関わらず、オシャレだから、素敵だからが優先・先行してしまうときがあるのは人間です。それはある程度仕方のないもの。
そこに疑問を投げかけ、長く良い住まいにするための「現実」を引出す。それがこのブログの使命と位置づけて、これからも発信していきます。
今後もあなたの住まいづくりのご参考になれば幸いです。