◇巾木の役割とは
周りを見渡してみてください。
壁の1番下に、帯状のものが部屋をぐるっと一周していませんか?
あれを巾木といいます。読み方は2種類。
「巾木」(はばき)もしくは(はばぎ)
地方性がありますが、どちらの読み方も正解です。
本来は、2つの役割があります。
1.壁よりも一段出っ張らせて壁を守るという役割
2.工事上、壁と床の間にできる隙間をキレイに見せるという役割
この他に、壁と床のあいだにできた少しの隙間から風が入ってくるのを防ぐ意味だったという話もあります。
ですが現在は気密性の向上により、1と2の意味が生き残っていると言えます。
この巾木ですが、デザインの1つと考えてみると、非常におおきな効果を期待できるのです。
◇巾木は工夫次第。デザイン性に秘密
巾木を「インテリア」として、また「デザイン」としての見せ方次第で、非常に重要な役割を持たせる事ができます。
そしてこれはとても大きな効果を期待できる秘密なのです。
巾木が「壁と床の間にある」ということに意味があるのです。
●パターン1:「床と同じ色合いにする」
巾木はたかだか高さ6㎝程度のものです。
ですが人間の視覚的な奥行きというのは、高さの2〜3倍に感じられます。
つまり6cmの巾木は、奥行きを18cm広く見せる効果を持ちます。
巾木を床と同じ色合いにすることで、狭い部屋をより広く見せられるのです。
トイレや脱衣室などの小さな部屋に最適な効果と言えますね。
●パターン2:「壁と同じ色合いにする」
パターン1とは違い、今度は高さを際立たせます。
床を逆に狭く見せることで、高さに視覚が奪われるのです。
吹抜けのある部屋、つまりリビングや玄関などに利用すると良いでしょう。
●パターン3:「壁とも床とも、全く違う色の濃さにする」
これは壁と床との区分けをはっきりさせますので、デザイン全体が引き締まって見えます。
床は床、壁は壁というように視覚的にくっきり映るため、別々のものであると認識します。
デザイン的に、床にも壁にもこだわりが強い場合に採用し、どちらも個性を主張し合えます。
◇実はとてもコスパの高い方法
3パターンでご説明しましたが、ご理解いただけたでしょうか。
色合いというものは、視覚のほとんどを支配しています。
それゆえ熱いものを冷たくも見せられますし、大きいものを小さくも見せられる魔法なのです。
そして巾木というものは、石でも使わない限り、そもそも高価ではありません。
その視覚的効果を最大限活用すると、金額を増やすことなくさまざまな効果を得られます。
つまり、とてつもなく高いコスパと言えます。
しっかり吟味して、選定してみてはいかがでしょうか?