間取りを検討するうえで、必ずぶつかる壁があります。それは収納の種類についての迷いです。
◇造り付け家具がいいの?それとも購入家具の方がいいの?
というもの。
確かにどちらでも収納することは可能ですが、造り付け家具の方がかなり高価になります。そういう面でも迷いは大きくなっているのではないでしょうか。
子供部屋はどうなのか。寝室の家具はどっち?リビングは造り付け家具が必要なのか。意外とその迷いは深いですよね。
そこで今回は、それを選ぶ上での「基本的な考え方」を2つ。そして「その他の選ぶポイント」を2つ紹介していきます!
◇まずは家具の特徴を理解する
最初にわかっておかなければいけないのは、2種類の家具の性能と特徴です。
◇造り付け家具:
強度がしっかりしており、間取りに合わせた寸法に設定できるため隙間なく製作ができることが特徴です。そのため、1つの部屋のように壁の中に隠してしまうことも可能なのが造り付けの強み。ゆえにクローゼットや納戸というように、大きく設置して「部屋」として位置づけになっているものもあります。非常に高価ですが、長く使用できることを考えると、費用対効果は大きいですね。
◇購入家具:
造り付け家具に比べると、棚の作り・ガラス・金物、全てをとっても強度としては劣ります。流行や好みに合わせた豊富な種類があるために、デザイン性は非常に高いのが魅力。ただし、製品を工場で製作している関係上、ある程度の規格が決まっているため、間取りに応じてぴったりと設置できる可能性は低く、隙間ができます。安価ですが、長く使うということは難しそうです。
これが、「造り付け家具」と「購入家具」それぞれの特徴になります。では、これらを理解した上で、考え方を確認して行きましょう。
◇家具選定の基本。セオリーを紹介
まずは基本的な、セオリーとしての考え方を2つ紹介いたします。
一生を思い描いたときに、変化しない収納・・・作り付け家具
②年齢や時期に応じて、収納量や内容が変化する収納・・・購入家具
この2つがセオリーであり、絶対に押さえなくてはいけないポイントになります。
これから先の生活を想像すると、「変化するもの」と「変化しないもの」がありますよね。
例えば、夫婦はずっと生活をするけど、子供は巣立って行きます。もちろんそうでないこともありますが、一般論です。
家族が常時生活する空間であり、子供が巣立っても変わらない場所の収納は、長く使うので「造り付け家具」が向いています。
逆に子供部屋の中については、幼少期と小学生、中学生、高校生と成長するにつれて収納したいものも大きさも変わってきますよね。好みも出てくるということもあります。
基本的な収納はクローゼットのような造り付け家具でかまわないでしょうが、過剰に大きくすると、成長に合わせて変化できないために、間取りを圧迫することが考えられます。そういう意味では「購入家具」が向いているということになります。
この2つの考え方でまずは選定していましょう。
家具選定の考え方を、もう2つ
またこの他にも検討すべき点が2つありますのでご紹介しましょう。
・
③強度が必要、使用頻度の高い収納・・・作りつけ家具
④将来的に模様替えをしたくなりそうな収納・・・購入家具
強度が必要なものというのは、布団や季節ものの衣類ケース、工具やアウトドア品などの重量物を収納するものが該当します。また、あまりに開け閉め頻度が多い場所も、購入品では部品交換が難しい場合が多いため「造り付け家具」が向いているということもあります。
リビングや子供部屋などのように、模様替えをしたい場所があるのであれば、造り付け家具を設置してしまうと動かせません。その場合は購入家具が向いていますね。
リビングや子供部屋などのように、模様替えをしたい場所があるのであれば、造り付け家具を設置してしまうと動かせません。その場合は購入家具が向いていますね。
注意点としては、仮に模様替えをしたいと考えたとしても、コンセントなどが家具の裏になる可能性もありますので、自由度がきくように多めに配置すると良いように思います。
◇まとめ
今回ご紹介しました「家具選びの4つのポイント」を踏まえて検討していくと、造り付け家具、購入家具、どちらの家具にすればよいのかという悩みは、ある程度解決しながら進んでいけると思います。
もしもそれでも迷いが生じた時には、デザイン性や将来性などを考えるという方法しかありません。つまり、頑張って考えるしかないということです。
たくさん悩みはあると思いますが、一生に何度もある経験ではありません。ぜひご参考にして、良い住まいになることを祈っています。