通風や換気の考え方のコツは【深く考えないこと】!

◆「風通しが良い」とは

「この建物の風通しは大丈夫でしょうか?」

相談を受ける中で、非常に多い質問のひとつです。

 

家づくりをしていると、「風通し」というワードは良く聞くと思います。

 

「風通し」は「通風」とも言われますが、もっと言うと「空気が動くこと」を指します。

 

ところで、「風通しを良くしたい」と聞いて何を思い浮かべますか。

窓の配置ではないでしょうか。しかし、本当にそれだけでしょうか。

 

今回は、「風通し」についてお話します。

 

風通しの良い家と悪い家、どちらに住みたいですか?

こう聞かれれば、誰もが「風通しの良い家」を選ぶのではないでしょうか。

 

では、「風通しが良い家」とは、どういうものを指すのでしょうか。

ご説明します。

 

「風通しが良い家」とは、以下の2つの意味があります。

 

①窓を開けた時、窓から窓へ風が抜けていくようになっている家

②良好な換気システムにより、空気が動かない場所がない家

 

 

自然の風は気持ち良く気分もスッキリすることがあります。

そういう意味では、窓を開けることもあるでしょう。

 

しかし、現在では、湿気やニオイが気になるといった理由で、

窓はほとんど開けないという人も多く、上にあげた②の方が重要となってくるのです。

 

しかし、「風通し」の相談を受けたとしても、間取り上では、

①の窓の話はできても、より重要である②の換気システムの話はできないということです。

 

◆空気の流れを想定?

間取り上でなければ、換気システムによって作られる空気の流れを想定することはできるのでしょうか。

 

おそらくデータ解析を使えば、ある程度想定することは可能です。

 

しかし、換気システムと一言でいえど、膨大なパターンが存在するします。

 

例えば、キッチンのみ換気扇起動、お風呂の強い換気扇とキッチンの換気扇起動、廊下の窓が空いていて子ども部屋の換気扇が起動…

 

これらを全て想定しようと思うと、かなりの時間と費用を要します。

現実的ではありませんね。

 

そもそも、「風通し」というものは、「仮に窓を全部開放していたら」や「仮に換気システムが稼働していたら」という前提条件がつくことで計算してが可能になるのです。

 

結果として、「空気の動き」を建物全体規模で建物全体規模で考えたとしても「読めない」というのは当たり前のことなのです。

 

◆考え方を工夫しよう

ここまでしてきた話をまとめると、

「風通しについては、深く考えてもあまり意味がない」と言えます。

 

だからといって、何も考えずに進むのは不安すぎる!…お察しします。

 

考えるなと言いません。考え方を工夫する必要があるのです。

どのように考えれば良いか…

 

ずばり!「小分けにして考えよ」です。

 

各部屋には扉があることがほとんどだと思います。

 

子ども部屋/トイレ/脱衣室というように、その部屋ごとに

小分けにして考えると良いでしょう。

 

また、リビングダイニング/寝室+WICというように

扉が無く、つながっている部分はひとまとめにして考えましょう。

 

それ以外にパターンは、生活してみなければ分かりません。

もっと言えば、生活を始めたとしても決められるものではありません。

 

よって、小分けした部屋ごとに窓の配置や換気システムについて考えるべきでしょう。

 

まず、窓の配置については、以前に記事を書きましたが、

「1部屋で2窓・遠くに配置」の原則を守れば、基本的には風が抜けると考えて良いです。

 

次に、換気システムについては、設計担当(=プロ)に任せるという考えで良いと思います。

この収納の中にあえて換気がほしいという場合のみ提言する程度で考えるのが良いでしょう。

 

家づくりにおいて考えることが多いことは、ここまで何度も話をしてきました。

 

なので、「風通し」については、さらっと流しておかないと、

泥沼にはまって時間切れなんていうことも多いのです。

 

ここは、ある程度割り切って、設計士に頼る(プロに任せる)というのが無難と考えます。

 

良い家づくりになるように、祈っております。

ご参考になれば幸いです。