気密測定ってやった方が良いの?

◆断熱と気密

「『気密測定』はした方がいいのでしょうか?」こんな相談が多くなってきました。

 

「断熱」という言葉と共に、「気密」という言葉を耳にすることが増えました。

 

「断熱」…家の外の熱を家の内部に伝わりにくくすること

「気密」…家の内部の隙間をなくして家の外の空気を中に通さないこと

 

これらは建物の性能をあらわす言葉です。

 

高断熱高気密の住宅は快適といえます。

 

さて、ここからが本題です。

 

冒頭で少し触れましたが、今回は『気密測定』の在り方についてお話します。

 

◆『気密測定』とは

 

もともとなじみのなかった『気密測定』ですが、最近はSNSやYouTubeなどで見聞きするようになり、知る人も増えた感じでしょうか。

 

『気密測定』とは、専用の機械を使って、家の内部の隙間を計算することをいいます。

 

これは、気密がきちんととれているかを確認するために行われるものなので、測定したからといって性能が向上するわけではありません。

 

この計算によって割り出された気密性の値を「C値」と呼び、この値が小さければ小さいほど良いとされています。

 

◆『気密測定』した方が良い?

ここからお話するのは、私個人の意見ですので参考程度に読んで頂けたらと思います。

 

ずばり、『気密測定』をした方がよいのかどうかですが、住宅メーカーによると思います。

 

【高気密をうたっている住宅メーカーであれば測定するべき】、

【高気密をうたっていない住宅メーカーであれば測定しない方がよい】

と私は考えます。

 

例えば、「C値=●以下の住宅を建てます」・「高気密の家を建てます」などとうたっているハウスメーカーであれば、『気密測定』をする重要性は高いでしょう。

 

安心材料にもなりますし、万が一、ハウスメーカーがうたっている値に達していない場合は直してもらうこともできるでしょう。

 

しかし、特にそうでないメーカー、気密性を重視していないメーカーの場合はどうでしょう。

 

測定の結果、良くない値が出てしまっても、メーカーからすれば「こんなもんですが何か?」くらいの対応でしょう。

 

しかし、測定を頼んだ施主からしたら、そういうわけにはいきません。

 

YouTube等で紹介されている、良いとされるC値と比べて落ち込んだり、不安になったりしてしまい、今後の生活にマイナスのイメージをもつことになります。

 

 

この測定は確認作業なので、測定しても、しなくても、その家で生活することに変わりはないのです。

 

もちろん、測定の結果を受けて修正してもらうこともできなくはないですが、膨大な時間と、莫大なお金がかかります。

 

ほとんど完成に近い家をやり直すわけですから当然です。

 

だとすれば知らぬが仏。

 

自分が建てるハウスメーカーは何をうたっているのかを確認してから決めてもいいかもしれませんね。

 

安心して欲しいのは、住宅技術は日進月歩です。

 

昔に比べると技術も資材も、かなり良くなっているので品質も向上しています。

 

つまり、高気密をうたっていない住宅メーカーでも、昔の家よりはかなり良いものが建てられるということです。

 

それでも、性能を気にするのであれば、ハウスメーカー選びはもちろん、計画段階からしっかりと打ち合わせをして進めていただければと思います。

 

参考になれば幸いです。