キッチンの下がり天井を効果的に

◆キッチンの下がり天井

いきなりですが、キッチンの天井が下がっている家をよく見かけませんか?

 

この「下がり天井」。

 

中には、好んで採用する方もいますが、キッチンの下がり天井に関しては、構造上仕方なく…というパターンが多いでしょう。

 

構造上などと堅苦しく言いましたが、理由は簡単、レンジフードがそこにあるからです。

 

レンジフードとは、コンロの上にある排気ファンのことで、料理中の煙や湯気などをキャッチして、直接外部に出してしまおうというものです。

 

コンロ丈夫のファンに吸い込まれた煙や湯気は、「ダクト」という煙突のような太い配管を通り外部に排出されます。

 

つまり、この太い配管(ダクト)を天井に通す必要があるのです。

 

ダクトが見えてしまっては美しくないので、これを隠すために天井が低くなっているということなのです。

 

この下がり天井のクロスを変えたり、間接照明を入れたりと、素敵な空間を演出している家もたくさんあります。

 

このように、仕方なく下がってしまうキッチン上の天井も、工夫次第では効率的に使うことができるのです。

 

今回は、下がり天井のメリットや効果についてお話していきます。

 

◆効果的な使い方

キッチンの「下がり天井」について説明をしてきましたが、果たしてこれはデメリットばかりなのでしょうか。

 

いいえ、メリットも多いのです。

 

「下がり天井」とは、その名の通り、他よりも天井の高さが低くなっている部分のことです。

 

キッチンはリビングダイニングと同じ空間にあることが多いです。

 

キッチンの天井を下げて、天井に段差をつけることで同じ空間であっても「ここは別の場所」と認識させるひとつの方法なのです。

 

自分がどこにいるのかが明確になることは、実は安心感にも繋がるのです。

 

極端な例ではありますが、絶対に車が来ないから大丈夫といわれても、道路上にシートを広げてお弁当を食べるのは何だかそわそわしませんか?

 

レストランでも、同じ空間で火を上げて料理されるよりも、食事をする場所からは見えない方が落ち着いて食事ができますよね。

 

自分がどの空間に所属しているのかという感覚(=所属感)は、知らず知らずのうちに人間が求めてしまうものなのです。

 

空間をさりげなく区切ることは、空間にメリハリができるということです。

 

キッチンの天井を下げることで視覚的にダイニングやリビングの天井を高く見せることができ、必然的に部屋を広く見せることもできます。

 

キッチンの天井を下げることは、デメリットばかりではないとお分かりいただけましたでしょうか。

 

ご参考になれば幸いです。