◇将来、どう分けるのかを決めておく
◎どんな間仕切り?どこに間仕切り?
子供が小さい時には、2人で1つの部屋にする。
そして大きくなってきたら、間に間仕切り壁を入れて2部屋に。
そうお考えの方は多くいます。
「受験を控えているから勉強に集中させたい」「思春期を迎える頃にはプライバシーを確保してあげて自分の空間を作ってあげたい」などなど。
部屋をどうしようかと悩んであげるのも、お子さんに対する愛情ですよね。
間仕切りを付けるか付けないか、またどんな間仕切りにするのかは、それぞれの考え方があります。どれが一番良いのかという正解を出すのは悩みどころです。
ですが想定をしておかないと、いざ間仕切りを設置しようとしてもうまくいかないことがあります。なので「将来、どんな間仕切りを設置するのか」をあらかじめ決めておかなければなりません。
まずは4つ、間仕切りの手法とざっくりした特徴を書いておきます。
◎間仕切りの種類を4つ
①解体が難しいしっかりした壁を作る
・・・遮音性、保温性も高く、プライバシーを確保しやすい。
②後に取り外しやすい間仕切り壁を作る
・・・将来、お子さんたちが巣立っていったときを考え、解体しやすい壁を付ける工夫もできます。おすすめです。
③ドアなどの建具で仕切る
・・・遮音性が悪く、プライバシーが確保しづらい。
④家具で仕切る
・・・結局は同じ空間ですので、中学・高校くらいだと、一人部屋という感覚はなくなりますね。
今回は、①・②の「壁を作る」という間仕切り方法に着目し、その時に気を付けてもらいたいところをピックアップしました。分割する部屋の、「失敗しない為のポイント」を解説します。
◇失敗しないポイント
ポイントは4つ。
①方角
②窓の位置
③デザイン
④出入り口
これらは特に注意してもらいたいポイントです。それでは、それぞれの注意点を解説していきましょう。
◆方角
特に東か西に面して部屋を配置された方は注意が必要です。なぜなら、分割にするとどちらか必ず「北側部屋」になってしまうからです。当たり前の話のようですが、実は多くある失敗事例の1つなんです。
きっと部屋にこもったりするのは、大学まで考えても10年間くらいの話しかもしれません。でも明るく過ごしやすい部屋を提供してあげたいと思うのが親心。
どうしても北側部屋になってしまう場合、窓ガラスや冷暖房が快適になるように工夫してあげる必要が出てきますのでご注意を。
◆窓の位置
特にきれいな長方形で計画できなかった方は注意が必要です。最初の配置では机やベッド、タンスの位置などを決めていた。
なのにいざ間仕切りをつけるとなると、どうしても机の真っ正面に窓が来てしまう、タンスの位置に窓が来てしまう、などと言う失敗事例が非常に多いのです。
また窓の大きさに変化をつけてしまった場合も、分割した後に不公平感や明るさの違いが出てきてしまうということもあります。
◆デザイン
特に男の子と女の子が1部屋に住む場合で、デザインを分けてしまう場合に注意が必要です。
将来間仕切りをつける予定の場所でデザインを分けているのでしょうが、実際に使い始めてみると「そこじゃない方が良かったのに」と感じることがあります。
結果デザインがうまくいかず、変になってしまうことが多いのです。
デザインは応用が利くシンプルなもので対応するほうが望ましいでしょう。
また同じ理由により、照明器具の配置も検討しておきましょうね。
◆出入口
内部が少し入り組んでいる場合に注意が必要です。当然ドアは2つ設置しておくのでしょうが、いざ間仕切りをすると「そこじゃなかった」という後悔が出てしまうことがあります。
原因は、ひと部屋だった時に「隣同士に扉が2枚設置する」状態が「なんか変」と感じてしまうため。結果少し離して計画をしてしまうということから生まれます。
子供部屋を二階に計画するとき、階段側に扉を設置するほうが使い勝手が良いですよね。しかし、そこに着目した結果、分割した際には「遠くて使いづらい」という結果になってしまうかもしれません。
また、ドアの付近には「照明のスイッチ」が欲しいですよね。その検討もお忘れなく!
◇計画は二部屋
まずはひと部屋で、それを2部屋に分割する。
そう考えていたとしても、まずは「2部屋」として計画することが重要です。
2部屋分の計画が終わった後に、間の間仕切りをなくして計画をするというのが、セオリー。これさえ守れば上記のような失敗は少なくなります。
2部屋の前提で計画しないと、天井・床の下地の補強を忘れたり、照明やコンセントの位置がおかしなところになってしまったり…設計担当には将来間仕切ることを、必ず伝えてくださいね。
仮に「壁までは要らないかな」と思っていても空間を仕切ることは必要になります。年齢と共に、こども同士で共有するおもちゃのような物も減ります。
特に性別が違うなら、しっかり仕切ってあげるべきでしょう。子供部屋のクローゼットもなるべく一人ひとりに当たるようにするべきかと考えます。
思春期の一人の空間、部屋で友達と過ごす空間、人間の成長にとってみると非常に大切なものです。
ぜひ参考にしてみてください。