◇自宅に駐車スペースを作る
車をお持ちの方、もしくはこれから購入する方。きっと新居には駐車スペースを計画しますよね。
例えば、玄関近くに駐車場を配置します。そして自分の車のデータをダウンロードしてきて、図面に記載する。
「よし、ちゃんと停められる!」
車の幅も考えて、駐車スペースは広くとってるから大丈夫!
実はこの、一見問題ないように感じる行動が失敗を生むことになります。
・・・ちょっと待ってください!
『それ、本当に停められる?』
駐車場になる場所に、車の「絵」を当てはめただけ。結果「実際には停められなかった」という失敗事例が多いことはご存知ですか?
何故そんな失敗が起きるのでしょうか。
車を駐車する際、空からスポッとはめ込むわけではありません。・・・それはきっと、もう少し未来の話です。
実際には、車を止めるまでの「軌跡」というものがあります。つまり、車の動線のことです。
その駐車場まで、どのように駐車しますか?
◇一度行きすぎてから、バックで駐車するのか。
◇そのまま前向きに駐車するのか
これだけでも全く配置が違ってきます。
その動線を無視した結果、現実的には停めることができないという事例が実際に存在するのです。カーポートや車庫を計画するなら尚更わかっておくべき軌跡というもの。
◎車庫にぶつかりそうになる
◎毎回慎重に駐車する
◎少しでも車の軌道がずれたら納まらない
いつも車を出し入れする自宅なのに、毎日そんなことと隣り合わせになりたくないですよね。ゆとりのある駐車には軌跡が大切なんですね。
◇軌跡を描いたら見えてくるもの
インターネットなどで軌跡を検索すると出てきますが、これは運転技術にもよるのです。毎回同じ位置で運転できるでしょうか?
やはり実際に運転してみるのが最も良い方法と考えます。
子供が生まれて家族が増える予定。軽自動車からミニバンなどのファミリーカーに乗り替える可能性があるなら、軌跡の重要性は更に上がります。
また、敷地の条件が邪魔してくることもあります。
電柱や塀、縁石や街路樹といったものの位置をしっかりと把握しているでしょうか。
自宅手前の道路から右折して駐車スペースに入るのか、それとも左折してなのかも大切なポイント。それは、車には内輪差があるから。
カーブするときの、前輪と後輪の軌道のずれです。特に左折は内輪差の影響が出やすいので、縁石に乗り上げたり、タイヤを擦ってしまったりするかもしれません。敷地内のものの把握にプラスして道路の幅なども知っておきましょう。
設計担当に言えば、それらの敷地条件も図面に反映してもらうことができます。 現地に行った時に、写真をしっかりと取っていれば、何があるのかはわかるはず。
これらが邪魔をしてくるおかげで、車2台分のスペースのはずが、自転車しか停められないという話すらあるというのが現実です。おそらく、ほんの少しの確認で済むような話です。
それを見過ごしてしまった結果、とてつもなく大きな損失になってしまうことになります。完全に凡ミスです…
◇まとめ
駐車スペースを確保するのであれば、まずは敷地の条件をしっかりと確認する事から始めましょう。
そして、自分の駐車技術を見極めて、実際に「使える」スペースを作っていきましょう。
可能であれば、自宅位置や駐車位置を想定して、実際に運転してみるのが良い方法です。動線の検討は外でも大切です。
お金を払って得た土地を、少しも無駄にしない計画を願っています。