◆パントリーの設置
最近、パントリーを計画する人が増えてきているように感じます。
むしろ、計画したいのにスペースが足りずに困っている人もいるほどに、パントリーという収納が当たり前になってきています。
そもそも、パントリーとはどういうものなのでしょうか。
一度、定義をおさらいしておきましょう。
【パントリーとは】
キッチンの一部分にあるいはキッチンに隣接して儲けられる個室・収納スペースである。
食品や飲料のほか、日常使う頻度の少ない調理器具や什器類をストックするために利用される。
つまり、キッチン専用の収納というわけです。
では、このパントリー、必ずしもキッチンに隣接していないといけないのでしょうか。
今回は、キッチンとパントリーを隣接して設置できずに困っているというご相談を受けたので、これについて解説します。
◆パントリーの配置
パントリーに限らずのことですが、収納をつくる際はどういう物を入れるためかを考えて計画すると良いでしょう。
それによって、どの場所にどれくらいの広さの収納があると便利かが分かってくると思います。
今回のご相談の場合、料理が好きで調味料や食材をストックしておく場所が欲しいとのことだったので、やはりこれはパントリーがキッチンに隣接している方が使い勝手が良いということになります。
しかし、似たような相談をしてくださった方に「収納したいものはホットプレートと非常食用の乾麺くらい」という例もありました。
このように使用頻度が少ないものを収納する場合は、キッチンに無理に隣接させる必要はないかと思います。
キッチン周りのスペースに余裕があれば別ですが、そうでない場合は、キッチンを削ってまでパントリーをつくってしまうと毎日使うキッチン自体が狭くなり、使い勝手が悪くなってしまいます。
◆だまされるな!
パントリーを作るなら、キッチンに隣接させなければ…という考えに至ってしまうのはなぜでしょうか。
それは「パントリー」という名前のせいです。
ほかにも、「シューズクローク」「クローゼット」と聞くと、「靴を入れないと」「服をしまおうかな」と変な使命感に駆られてしまいます。
シューズクロークに食品をしまうなんて、パントリーに靴をしまうなんて…と思いますよね。
しかし実はこれら全て、名前に引っ張られてしまっているだけなのです。
そんな時は、これら全ての収納を「多目的収納」という名前に変えてしまいましょう。
あなたの家、あなたの生活にあった収納、そこに決まりはないのです。
あなたが良いと思えば、食品と日用品を一緒に収納したっていいのです。
目的によってはキッチンに隣接していなくても、玄関からリビングまでの動線上にあった方が便利な場合もあります。
自分の先入観にしばられて不自由になるのではなく、生活動線やライフスタイルに合わせた配置や広さにすることが大切だと考えます。
「何のための収納なのか」今一度考えてみてください。
せっかくの家づくり、自由な発想を忘れないでくださいね。
ご参考になれば幸いです。