◆理想の間取りは実現可能?
みなさんはどんなマイホームが理想ですか?
「間取りを考えること」は家づくりの中で力を入れたい項目の一つではないでしょうか?
間取りを自由に決められることは、注文住宅の醍醐味ですよね。
広いリビングに広いキッチン…と理想は尽きませんが、土地の広さや予算による制限を考えると現実を見る必要があります。
しかし、様々な制限や条件があっても、どうしても譲れない!というものもあるかと思います。
間取りにも流行があり、その時代にマッチしたものへと変化していきます。
あくまで一例ですが、今の時代の流行として「対面キッチン」「リビングとダイニングの分離」「使いやすい動線」などが挙げられます。
今回はこれらの例を実現するためには、最低でもどれくらいの日スペース(広さ)が必要なのかについてお話します。
この家の広さで実現できるのだろうか…とお悩みの方がいらっしゃいましたら、是非、可能かどうか確かめてみてくださいね。
◆マスで見る空間
それでは、「対面キッチン」「リビング」「ダイニング」に必要な大きさについてお話していきましょう。
早速ですが、下の図をご覧ください。
ずばり、これらのサイズがそれぞれに必要なスペースです。
1マスは910mmですので、上のマス表記を寸法にしてみると以下のようになります。
逆にこれらを当てはめることができないのであれば、全てを取り入れることは苦しくなりますので、無理をして考えるのではなく、何を削るのかを検討する方が良いでしょう。
また、注意していただきたいこともあります。
上の図にあるよう、これらを全て合わせると37マスあります。
2マスで1帖なので、18.5帖あることになります。
上の図のように、細長い空間だと、リビング(4マス×4マス)を当てはめることができないため、再考する必要があると言えます。
◆時間を有効的に使おう
ここまで説明してきたように、どう考えても、どう頑張っても無理ということはあります。
時間は有限です。間取りの検討は時間が命です。
「なんとかなるでしょ」と軽く考えて壁にぶつかるよりも、初めから壁があるということを知った上で検討する方が何倍も効率的です。
限られた空間を少しでも快適な空間にするためにはどうしたらいいのか…と考える方がよっぽど上手な時間の使い方と言えるでしょう。
ご参考になれば幸いです。
◆おまけ
ここからは本題とは少し離れますので、興味のある方のみ読んでいただければと思います。
そもそも1マスとは何かというお話です。(1スパンや1グリッドという場合もあります。)
家は木造でも鉄骨でも変わらず、何本もの柱によって支えられています。
1マスというのは、この柱と柱の間隔のことを言います。
そして、この1マスを910mmとして考える設計基準のことを尺モジュールと言います。
どちらの設計基準を用いるかは、建築会社次第ですが、日本では尺モジュールを採用している建築会社が多くあります。
というのも、日本建築では伝統的にたたみの大きさを基準にしてきた独自の習慣があります。
たたみは「1畳=1820mm×910mm」。どこかで見たことがある数字ですね。
そうなのです。2マスで1畳、4マスで1坪となる尺モジュールは便利なのです。
この尺モジュールという日本独自の考え方が昔から引き継がれているということです。
しかし、現在ではメーターモジュールを採用している建築会社ありますので、建築会社を決める際には気にしてみるのもいいですね。