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耐震化したい人に【必要な覚悟】ありますか?


▼耐震性能を高めたい▼

地震大国日本にとって、耐震性が高い建物というものは重要なものです。

世の中には「制震ダンパー」や「免震ゴム」のような技術がどんどんと進化しており、地震に関して世界トップクラスの技術を誇っています。

とはいえ、住宅に適用するためにはまだまだコストが高く、手を出しづらいものです。でも地震に強い家を建てたい!皆さん当たり前のようにそう考えますよね。「じゃあ、特別な何かをしなければ地震に強くないの?」とも考えます。


今回は、耐震性能の高い住宅にするための「覚悟」というお話をします。

▼耐震性能の高い家はバランスが大切▼

耐震性能を上げるためにどうすればよいのか?

 

実際には最新技術よりも、壁や筋交いを増やしてもらうという方法がはるかに低コストであり、手っ取り早く耐震化できる方法です。

 

ただ、闇雲にそれらを増やすと返って悪い方向に進むことがあるということをわかってほしいのです。

 

それは「偏心応力」といって、耐震壁の配置バランスがうまくいかないと、地震で揺れた際建物に「ねじれる方向」の力が働くことがあります。そうすると、本来の耐力よりも小さい地震で崩壊することもあるんです。

 

ですから、補強された柱や壁・床というものを、満遍なく全体にちりばめるのが妥当な耐震化ということなのです。

 

強化するにもバランスも大事。多ければ良いというものでもありません。しっかりと計算されて導き出された構造体で建てることができれば、耐震性のある住宅が作られるのです。

 

ただ先ほども言ったように「覚悟」が必要になってきます。

 

▼求めるためには、失う覚悟を▼

もしも地震に対する補強を本気でお考えでしたら、まずは以下のことをご覚悟ください。

 

◉窓や扉を小さくする、又は移動する覚悟

◉間取りを調整せざるを得ない覚悟

◉思わぬところに柱や壁が増えてしまう覚悟

 

この覚悟がまずは必要で、それらを伝えた上で設計者にご相談するのが一番の方法かと思います。

 

「こう言う覚悟はありますので、耐震性能を向上させる良い方法をご提案ください」と伝えましょう。

 

もしかしたら、そんなに支障のない提案をしてくれるかもしれません。ここは設計者さんを頼る以外の方法はないかと思います。

 

少しでも安全な家に住むという選択を、常識的な範囲で取るというのが良い方法かもしれませんね。

 

度々起こる地震災害の影響から、耐震構造を選択する住宅は稀ではなくなってきている世の中です。ただ、勘違いをしてはいけないのが、「強度があると言っても地震がくると必ず揺れる」ということです。耐震とはそういうものではありません。

 

耐震の種類については、過去の記事を読んでみてください。

地震に強い家!耐震・制震・免震の違いとは? 参照)

 

とはいえ、大地震の備えは忘れずに行ってください。大型家具の転倒防止の処置や、日頃から整理整頓することも災害への備えになります。当然、避難グッズや避難場所、経路も。

 

間取りを考えるとき、使いやすさやデザインばかりに気を取られず、「命を守る家」にすることも考える必要があります。

 

このような耐震についての記事のほかに、安全性のある家づくりのために気に掛けていただきたいポイントを紹介した記事も多数掲載していますのでぜひご覧ください。

 

ご参考にしていただければ幸いです。