◇「手暗がり」の正体とは?
『手暗がり』という言葉はご存知ですか?初めて聞いたという方も多いかもしれませんね。
例えば文字を書いている時の話です。「部屋全体は明るいのだけど、手元だけが暗くて書きずらい。どこに移動しても影が付いてきて邪魔くさい。」そんなことはありませんか?
これが『手暗がり』です。
…自分の手に光が遮られて手元が暗くなること。またはその場所。特に下向きの作業を行う部屋では、手暗がりになりやすいのです。
生活をしていて、実際どんな場面があるのかというと・・・
◉キッチンでの洗い物作業
◉家事室でのアイロン掛け
◉書斎での書き物・・・などに起こります。
手暗がりは作業の効率を悪くするだけではなく、集中力が欠けたり、疲れ目の原因にもなるのです。つまりこれを解決させることで、作業がはかどり、目の疲労も軽減できることになります。
まずは、その正体を突き止めて見ましょう。なぜこんな現象が起こるのでしょうか。
その原因は【照明器具の位置】にあります。
手暗がりの正体が「影」であるからです。
照明は「光」を発生させる装置です。明るくすることはできますが、それと同時に「影」を発生させる装置でもあります。
例えば、キッチンの洗い物を想像してみてください。
シンクにくっついた状態で洗い物をしますよね。その時の照明はどこにありますか?立っている自分の、後ろのほうを照らしていませんか?
結果、自分の影で手元、食器が暗くなってみえずらくなるという現象が起きます。つまり、手暗がりになるということは、自分の背後から照明が当たってできる、自分の影が原因です。
その他の家事もそうです。部屋全体の照明が部屋の真ん中あたりにあるのは当然。でも、アイロン台は壁にくっついていることが多いですよね。そのとき、壁に寄り添ってアイロンがけをしていませんか?
だから手元が暗くなる、作業するときには自分の体が影を作っているということです。
手暗がりの正体は「自分の影」なのです。
◇手暗がりを解消して作業効率アップ
手暗がりを解消するためには、何より「照明の位置」を考えることが大切です。
部屋の中心、真上に設置された照明は部屋全体を明るく照らしてくれますが、そこに遮るものがあると、その真下、もしくは前方は暗くなってしまうのは当たり前ですよね。
であればキッチンでの作業も、照明器具が自分の立つ位置よりも前方にあれば解決するというのはお分かりでしょうか。
キッチンの照明は、全体を照らす照明も必要ですが、手元を明るくする照明も必要ということ。つまり、2種類の照明が必要ということになります。大抵のキッチンは、「手元灯」というものが取り付けられているのであまり心配はないのですが、他の箇所ではどうでしょう。
アイロンがけや洗濯機のところは手元の照明を作ろうとまではなかなか考えにくい場所です。ただ、実際は洗濯機の前では色々作業がありますよね。洗う洋服の選別、タグ・表示を見る、汚れの具合を見たり、ポケットの中をチェックしたりと、意外と確認することが多かったりします。
薄暗くて見えづらいと感じた経験はありませんか?そして、もしもその手元が明るかったら洗濯もスムーズにできそうな気がしませんか?今少しでも困っている状態であるのであれば、工夫して解消するべきです。
◉手暗がりの解決策は2つ
①照明器具を、作業を想定して配置する
②専用に「手元灯」をつけてもらう
これでストレスはかなり軽減されます。洗い物もアイロンがけも日々の作業ですが、そこで感じたちょっとしたストレスはどんどん積み重なってしまいます。家事はなるべく楽にしたいですよね。
勉強や書き物も、照明の配置に気を配って、集中力をアップさせ効率良く学ぶべき。時間は限られています。そして年齢を重ねれば、それまで気にしていなかった手暗がりも、特に気になってしまうんです。
照明の計画は最後の方に追いやられることが多いですが、光の加減で住み心地は大きく左右されます。配置計画で気になるところは設計担当に伝えましょう。
上手に照明を使って、ステキな住まいを完成させましょうね。
ぜひ間取りの参考にして頂ければ幸いです。