▼解放感を安易に決めないで▲
【天井が高いと、電気代が上がる】
【部屋が広いと、電気代が上がる】
この理屈、わかるでしょうか?
別に難しいことを言っているわけではありませんが、意外と不思議に思う方が多いと感じましたので、解説してみたいと思います。
非常に単純な話です。
天井高さが高い、もしくは部屋が広いということは、つまり『空間が大きい』ということですね。
そして空間が大きいということは、『温まるのに時間がかかる』ということであり『冷えるのに時間がかかる』ということでもあります。
当然のことではあるが故、そんなことわかってる!とお思いでしょう。しかし、解放感や憧れから広々とした空間を天井に求める方は少なくないのです。それは結果として『電気代がかかる』ということになります。それだけです。
実際に住んでみてから電気代をなんとか節約する方法はないか?と模索するということになってしまう。
そこをなんとか回避するための工夫をするにも、設備投資費用が加算したり…なんてこともないとは言い切れません。天井が高いばかりに冷暖房効率が悪くなっている家というのは、改築しない限りランニングコストは当然上がっていくばかりとなります。
なぜならいつまでも新築ではないから。マイホームというのは憧れから始まったにしても、現実を見なくてはなりませんよね。
では「電気代がかかる」ということは「吹き抜け」とか「リビング」のような空間のことだけと思ってはいないでしょうか?
【全然そんなことはありません】
今回のブログでのポイントがここなんです。
吹き抜けや広々としたリビングは冷暖房効率が悪そうと思いがちですが、果たしてそこだけなのでしょうか?
▼電気代が掛かる仕組み▲
どのようにしたら電気代が掛かってくるのかみてみましょう。
◉例えば、和室をリビングにくっつけていませんか?
◉例えば、リビングと廊下の間にドアを設けてなかったりしませんか?
◉例えば、パントリーにドアを設けてなかったりしませんか?
これは「部屋を広くしている」のと同じ意味です。
「部屋を広くする」ということは、「広く見せる」というのとまた違います。広く見せるというのは、家具の配置や壁、窓の位置などを工夫した視覚のトリックを使ったもの。一方、部屋を広くするというのは面積を増やすこと。隣同士の空間を利用するということでも言えます。
和室はあまり使わないのに、リビングにくっついている。そして開け放して生活をするとしましょう。
リビングが寒いということでエアコンのスイッチを入れます。すると、本来は「リビングだけ」が暖まれば良いにも関わらず、「和室も一緒」に暖まります。
これは逆に言うと、暖めなくても良いスペースまで、一緒に暖まってしまうという、非常にもったいない状態になるということです。
▼快適な住空間とは▲
その昔、リビングもダイニングもキッチンも和室も、全てはふすまで仕切られていました。
これは、囲炉裏のようなものだけで暖をとらなければいけなかったために、「不必要なところまで、暖めている場合じゃない」ということだったからです。
「狭ければ狭いほど、暖房効率が良い」ということは、遥か昔に実験済みなのです。
もっと言うと、そもそも「天井」なんてものは、建物の機能上は必要がないもの。
これは冷暖房効率をあげるために開発されたものなのです。
その証拠に、太古の家を見ると天井はありませんよね?
より効率を良くしたいのに、不必要につなげて「広々とした」ということを求めてはいないでしょうか。
基本的には、本当に必要のある部分だけをピンポイントで冷暖房するということがもっともコストパフォーマンスが良いということになるわけです。
『もう少し天井を高くしたいと思うんですけど』という要望。
これは、読み替えると
『もう少し電気代を高く支払いたいんですけど』と言っているのと同じことです。
不必要に「高さ」や「広さ」を求めるのではなく、つなげるところはつなげる。区切るところは区切る。
このメリハリこそが、快適な住空間を作ることになるとも言えるのです。
ぜひご参考にしてみてください