◇そのベランダ手すり、大丈夫?
2階にベランダを計画している人は多いです。洗濯物が太陽の光をいっぱいに浴びるのは、良いですよね。
そして当然そこには、落ちないように「手すり」をつけると思います。外からよく見える手すりは、デザインも考えておきたいもの。
でも…【そのベランダ手すり、大丈夫?】
そもそもベランダ手すりの目的は、言うまでもなく「人が落ちないようにする為のもの」ですよね。その多くの意味は、子供の命を守るものです。
東京都のとある調査結果です。
◎2階ベランダからこどもが転落しそうになった経験はありますか?
→一人でベランダに出てヒヤリとした・・・13.4%
→転落しそうになった・・・2.7%
→転落した・・・0.5%
この結果を見ると、約2割近くの子育て世帯は危ない体験をしているんですね。
こどもを守るのは親であり、大人の役目です。安全に心配なく暮らせる家にしたいものです。
そんなベランダ手すり、形状によってはとても危険かもしれません。
そこには、あるルールが存在しています。
◇手すりのルール
ハシゴを想像してください。
手や足を掛けて登って行くハシゴには、登りやすいように横方向に「桟(さん)」と言われる棒状のものが付いています。
万が一、ベランダの手すりがそれと同じく、【横向きの桟】だったとしたらどうでしょう。子供は面白がって登ってしまうかもしれません。
そして・・・。
かつてマンション8階のベランダから子供が落ちたという悼ましい事故がありました。 その手すりは、横向きの桟が使われていました。
落ちないように細かく設置された桟は、子供にとっては登りやすいものだったのです。想像しただけでもゾッとしますね。例えそれが2階であっても、小さいこどもにとっては高層ビルのようなものです。
大人には手が入らないような、狭い幅の手すりだったとしても、子供にとって見るともしかしたら「登りやすいハシゴ」でしかない可能性があります。
ところで、法律的に手すりの安全基準はどう示されているんでしょうか。
実は、2階建ての建物に手すりの規定はありません!自主的に安全策をとるしかないのです。恐ろしいですよね。
マンションなど3階建て以上の建物は、1.1mの高さの設置が義務付けられているのですが、住宅規模は規定がないという矛盾があるのです。
このような事故の多くは、保護者が外出中であったり、こどもの足がかりになるようなものが置いてあったり…と危険要素が色々とありました。
しかし、手すりの形状も見落としてはいけないポイントなのです。
◆その対策とは?
転落を防止するための対策としては、非常に単純なものです。
それは【縦向きの桟】にすること。
縦であれば、足がかけられません。たったそれだけで、子供の命は守られます。
ベランダやバルコニーを設置するのであれば、必ず知っておかなければいけない大切なルール。毎日気を張ってこどもを見ることは不可能ですから、家の安全対策を取らなければなりません。
手すりの形状はもちろんのこと、材質や強度も気にしてください。安易に見た目だけで選ばないように注意してください。
そしてもちろん、その手すりの近くに物は置かないようにしましょう。快適に、安全に住んで行くための鉄則。安心して暮らすために、今は頭を使っていきましょう!