▼トイレに窓は必要?▼
トイレに窓がないことは、良いことなのか。悪いことなのか。
トイレの配置計画は悩むところですよね。悩みの理由には、
「水廻りをなるべくまとめたほうが使いやすい?」や、
「リビングに近いと音漏れが気になるかも。」
「玄関寄りだと冬は寒いかしら。」などなど考える方も多いでしょう。
間取りを検討して行くと、トイレを真ん中付近に配置したくなってしまって、結果として窓を設置できない状況になって困っている方も多くいます。
でもよく考えていくと、そもそもトイレに窓は必須なのか・・・という疑問に差し掛かります。
というわけで、今回は【トイレに窓がないことはオッケーなのか、アウトなのか】という話をしていきましょう。
▼トイレの配置が真ん中な理由
トイレの配置を検討していくと、どうしても間取りの中央辺りにトイレがきてしまう、という方がいます。結果窓を付けることはできません。何故壁際にトイレが配置できなくなる理由として、居室の配置にあります。
人が長い時間過ごすと想定される部屋を「居室」といいます。寝室やこども部屋、書斎なんかもこれに該当します。居室は原則として採光が確保できていなければなりません。窓が必要なのです。
窓が必要な部屋というのは必然的に壁際ということになります。居室の数が多いか、或いは広い面積を計画していると、トイレや水廻り、収納といったものは真ん中に寄ってきます。
マンションなどはいい例でトイレなどの水廻りは横に並ぶ住人と背中合わせに配置していることが多いです。よくあるのは北側は共用廊下や階段があり、南側にしか窓をとれない設計のマンションです。
マンションの居室とういのは採光や、避難の関係から窓際に設置することが法律で定められています。
考えてみると、トイレに窓がない間取りというのは普通にあるということです。
▼トイレに窓を設置する理由
では考えるべきことは、トイレに窓を設置する理由です。
何故窓が欲しいと思うのか考えられる理由を述べてみました。
◎単純に陰気だから
◎通風が取れないから
◎電気代がもったいないから
◎圧迫感があるから
◎除菌とかもできなさそう
ざっとあげるとこんなところでしょうか。
デメリットはあれど、メリットはあまりなさそうな気がしますよね。確かそれには共感します。
ですが、それは「なければまずい」という絶対的な理由にはならないように思います。
これらの理由を一つずつ紐解いてみましょう!
◆単純に陰気
陰気というなら電気をつければいいですね。
電気代がねぇ・・・というお考えの方、確かに家族が多ければトイレを使用する回数は多くなるかもしれませんが、長く滞在する場所ではありませんよね。
そこの電気代の心配はせず、他の部屋で節約できる工夫を考えませんか?ランニングコストが抑えれるような電気設備の提案を設計士さんに伺ってみるの良いですね。
◆通風が取れない
大抵のトイレというのは換気設備が付いていますがそこを見直してみるということ。
しかし、窓があれば開けて通風したいということですね。窓と換気口の位置関係は大丈夫でしょうか?近く、そして上部に付いていませんか?
トイレの換気扇が回っていれば当然トイレにこもった臭気は屋外へ出されます。その風の流れがあるならば、大抵上部に設置された窓を開けると、窓から入ってきた空気はトイレ室内を循環することなく換気扇から直接出ていく形になると考えられませんか?
この理論からいくと、トイレの空気入れ替えは換気設備だけで充分となり、窓を付ける目的としては明かり採りや景色を楽しむくらいにしかないということになります。そもそも冬は寒いのであまり開けませんよね。
そして、トイレの換気扇が止まっている状態でキッチンなどの強力な換気設備が稼働していると、トイレ内の空気や臭気はリビングやキッチンのほうへ流れていくことになります。
トイレの臭気の発生源は便器廻り、床、飛び散る範囲の腰壁当たりからですので、扉の隙間から空気が出ていくとなれば、当然下方からも空気は流れていきますよね。バッチリ臭気はキッチン側へ。
窓を開け換気扇を回しても上部の空気だけが新しくなることということもおわかりいただけたでしょうか。
通風が取れない、臭いが気になるのなら換気システムを見直す、強化するということも考えるべきでしょう。
◆電気代が勿体ない
電気代がもったいないと思うのであれば、実際に掛かる費用は計算しましたか?
電気代は他の部屋の設備で工夫できるであろう話しはしましたが、換気扇を回したらどのくらいの電気代が掛かるかご存知でしょうか?
毎日回し続けても、だいたい一月100円いかない計算となっています。
臭いを気にして、300円くらいの芳香剤を買うより換気扇をフル稼働させているほうがいいという考えになります。
◆圧迫感がある
圧迫感や開放感を「1畳」の空間に求める必要はあるでしょうか。
長く過ごす部屋ならば、当然考えるべき点ではありますが、短時間の用を済ませたら出ていく部屋に要求しなくてよい部分かと思います。
◆除菌とかもできなさそう
除菌というものには、直接的な理由はありません。
特にノロウイルスなどの恐ろしい菌については塩素系の除菌が必要となり、窓を開けて空気を入れ替えることだけで逃げていくウイルスではありません。
しかし、乾燥したウイルスが空気中に浮遊することがあるので空気の入れ替えも必要ですが、上記で述べた窓と換気扇の位置関係が悪ければ十分に換気されません。空気の入れ替えは換気扇の換気だけで事足ります。
▼まとめ
どれもこれも、「窓があったほうが良い」という理由にはなれど、「なければいけない」という理由にはなりません。
つまりトイレの窓は、あってもなくても大きく変わらないというのが、私の持論です。
そもそも、そこに滞在する時間を考えて見てください。そんなに長くない時間を過ごす部屋に対して、一等地をあてがうというのは少しもったいない気すらします。
日当たりが良い場所は、長く過ごす順番にあてがうべきであり、結果としてトイレが内側にレイアウトされた場合は「仕方がない」というレベルでよいとおもいます。
法律的な縛りはありません。特に問題はないと考えます。
結果としては、【トイレに窓がないのはオッケー】ということです。
ご参考にして見てください。