◆一度は憧れる屋根裏部屋
マイホームの計画にあたり、屋根裏スペースを活用するかどうか、悩む方も多いのではないでしょうか。
屋根裏スペースとは、その名のとおり、屋根と天井の間にある勾配天井のコンパクトなスペースです。
収納スペースにしたり、隠れ部屋にしたり、使い方は様々です。
三角屋根(切妻屋根)にすると、どうしてもてっぺんのスペースがもったいなく感じてしまい、どうにか有効活用したいと思う気持ちはよく分かります。
では、この「屋根裏部屋」は果たして必要なのでしょうか。
冷静に分析したいと思います。
◆屋根裏スペースのルール
屋根裏スペースを活用するにあたり、法律上、守らなければいけないこと、知っておかなくてはいけないことについてご説明します。
①天井高は1.4メートル以下
②広さは下の階の2分の1未満
③固定階段は(自治体による)
⇒取り外し可能なはしごや、天井に収納されるタイプのはしごを設置
これらの規定以上のものをつくると、屋根裏部屋ではなく「階」に該当してしまいます。
つまり、平屋ならば2階建て、2階建てならば3階建ての家ということになるので、もちろん固定資産税や保険料のアップにつながってしまいます。
◆メリットとデメリット
◎メリット
●スペースの有効活用
屋根裏のスペースを活用するのですから、空間を無駄なく使えているという点では利点があります。
生活していくと物は増える一方なので、収納スペースが余分に設けられるという安心感があるでしょう。
●空調負荷が減る
難しく書いてしまいましたが、屋根裏に部屋があることで、その下の階は屋根面からの寒暖の影響を受けづらくなるということです。
◎デメリット
●はしごでの上り下りが大変
屋根裏なので高い位置にあるのはもちろんですが、前述したとおり固定階段の設置ができない自治体が多いです。
何かを持って、はしごを上り下りすることは想像以上に大変です。
収納として使用する場合、年に数回の上げ下ろしで済むものなら良いですが、重いものや頻繁に使うものの収納には不向きです。
部屋として使用する場合も、家具を運ぶことは一苦労かと思います。
掃除のことを考えても、大きな掃除機を持ってはしごを上ることは大変なので、お手入れ方法にも検討が必要です。
●コストがかかる
どんなに小さくても、プラスαのスペースを作るので、無料でというわけにはいきません。
もちろん、広さや天井高、クロスや床の仕上げ方によって金額は異なりますが、少なからずお金がかかります。
また、前述したように、規定以上のものをつくるには、初期費用だけでなく、固定資産税等のランニングコストもかかります。
◆注意が必要なこと
●熱や湿気がこもりやすい空間
屋根裏は熱がこもりやすいため、夏場日中の利用が多い場合や、熱に弱いものを収納する場合は特に断熱対策が必要です。
といっても、近年の断熱性の高さで考えると心配しすぎることはないような気もしますが…。
また、湿気対策として、自然換気システムや換気扇の設置をすることをおすすめします。
●安全面の確保
デメリットでも挙げたようにはしごの上り下りに関しては十分な安全面の確保が必要です。
収納や部屋のほかにも、子どもの遊び場として利用するという方法もあります。
はしごを上ったり、高い場所から部屋を見下ろしたり、子どもにとっては秘密基地のような楽しい場所でもあります。
しかし、遊び場にするには特に安全面の確保が必要となります。
◆まとめ
屋根裏部屋についてのあれこれをまとめてみました。
個人的にはデメリットのが多いように感じますが、感じ方は人それぞれです。
とにかく「憧れ」だけで突き進むのだけはやめておきましょう。