◆お風呂の窓について考えよう
一家に必ずひとつは計画されるであろう浴室。
あなたは浴室に窓をつけますか。
きっと「絶対につける」と思った方、「いらない」と思った方、どちらもいるかと思います。
さて、これはどちらがメリットが多いのでしょうか。
浴室の窓の有無で使い勝手が違うのでしょうか。
今回は、窓のメリット・デメリットとして挙げられるであろう、以下の4つの観点から、窓の必要性について考えていきたいと思います。
①採光 ②防犯 ③換気 ④感覚
◇採光(観点①)
まずはじめに、窓をつけるメリットとして挙げられるのが、日の光が入るということではないでしょうか。
浴室だって日当たりが良い方がいい!と思う方もいると思います。
さて、ここで質問します。
あなたやあなたの家族がお風呂に入る時間は何時ごろですか。
「夜」と答えた方にとって、浴室の窓というのは光が漏れることがあっても、光が入ることは期待できません。
では、逆に「朝」と答えた方は、窓がいるのかと聞かれると、一概にもそうとは言えません。
なぜかというと、照明器具で十分こと足りるからです。
というと、「電気代がもったいない」という声が聞こえてくる気がします。
しかし、よく考えてみてください。お風呂に入っている時間というのは限られているのではないでしょうか。
何時間も入浴している人の方が少ないと思います。
以上のことから、採光の面では、「窓はあった方が良いが必須ではない」ということになります。
◇防犯(観点②)
次では、次に防犯のことを考えるとどうでしょう。
そうです。窓があれば、少なからず覗かれる可能性があります。
これはきっと誰もが、「窓がない方が良い」と答えるでしょう。
◇換気(観点③)
換気をするために窓があった方が良いと考える方が多いと思います。
確かに、何もない部屋にとってはそうかもしれません。
しかし、浴室には必ず強めの換気扇が設置されています。計算上は、この換気扇のみで浴室の換気は十分に成り立ちます。
浴室の換気扇を回すと、排気をするために空気を引っ張ります。脱衣室側からも空気を吸い込むことで湿気をその他の部屋に流さないようになっています。
窓を開けると、その仕組みが崩れて、せっかく排気した湿気を窓から室内に戻してしまうことも考えられます。
ただ、清掃時に使う洗剤や薬品の匂いなどを早めに除去するには、換気扇に合わせて窓を開けることが有効的であるでしょう。
しかし、最近の洗剤に関しては、匂いのきつい物は少なくなっており、これからも改善されていくことを考えると、「窓が絶対に必要」とは言えないように思います。
つまり、換気という機能を重視して考えると、「窓はない方が良い」といことになります。
◇感覚(観点④)
窓がある部屋とない部屋、どちらが開放感があるでしょうか。
窓がある部屋の方が開放感があり、窓がない部屋は圧迫感を感じるという意見があります。
しかしこれは、個人の感覚の話です。赤い丸いものといわれて思い浮かべるものが人それぞれ違うのと同じように、これには個人差があります。感じ方は人それぞれですが、開放感が欲しいから窓を付けたいと思う人はいるでしょう。
また、窓がなければ開けたいときに開けられません。当たり前の話ですが、これに不安を感じる方もいるでしょう。
例えば、浴室内に虫が現れた際、とっさに窓を開けて逃したくなるでしょう。しかし、壁ではどうしても空けることができません。
こういう意味合いでは、「窓は必要」と考えることもできます。
ただ、多くのマンション物件は、浴室に窓がありません。
つまり、感じ方は人それぞれのところはありますが、「あるに越したことはない」という程度のように思えます。
◆まとめ
ここまでの4つの観点から「窓の必要性」について考えてきました。
振り返ってみましょう。
①採光;あった方が良いが必須ではない
②防犯;ない方が良い
③換気;ない方が良い
④感覚;あるに越したこはない
以上のことから、理屈的には「窓はなくて良い」ということになります。
つまり、浴室の窓というものは基本的にはなくて困るものではないということです。
しかし、「朝日を浴びながらお風呂に入って気持ちの良い一日をスタートさせたい」、「夜は熱いお湯に浸かりながら、窓を開けて顔に涼しい外気を当てて露天風呂気分を味わいたい」など、理屈ではない部分で窓が欲しいと思うのであれば、それは付けた方が良いということになります。
難しく考えすぎて悩むのではなく、あった方が良い理由があれば設置するくらいに軽く考えても問題ないものだということです。
さらっと決めてしまいましょう。
ご参考になれば幸いです。