◆床材をタイルにするという選択
いきなりですが、こんな床材にしたいなどの要望はありますか?
もちろん、間取りも重要ですが、床材ひとつでも家の印象がガラッと変わります。
床材というと、木というイメージが強い日本ですが、海外ではタイルが主流という国も多くあります。
日本でも、海外風の家やホテルのような家にしたいという理由で、床材をタイルにする方もいます。
今回は、この「内装の床材をタイルにする」ということについて考えていきましょう。
◆タイルのイメージは?
「内装の床材がタイルの家」にどんなイメージがありますか?
かっこいい、危険そう、高級感がある、高そう、いろいろな声があがるかと思います。
かっこいい、高級感があるなどの印象については、人それぞれですし好みの問題ですね。
木の方がかっこいいと感じる方もみえるでしょうし、木の温かみがある雰囲気が好きな方もみえるでしょう。
では、危険そう、高そうなど・・・、性能や価格についてはどうなのでしょうか。
もちろんデメリットばかりではありません。
このあと、誰もが気になる、メリット・デメリットについてお話します。
◆タイルの特徴を見てみよう
何事にも、メリットがあればデメリットもあります。
両方を知った上で、自分に合うものを選択することが大切だと思います。
◎メリットを紹介
◎掃除が楽
タイルは素材自体に耐水性があるため、ジュースなどの液体をこぼしてしまってもシミになりません。
染み込んでいくこともなく、さっと拭き掃除するだけで済んでしまいます。
油汚れも水拭きでOK、汚れがつきにくいだけでなく落としやすいのは最大のメリットと言えます。
◎保温効果がある
コンクリートと同じく、タイルには多少なり保温効果があります。
なのでタイルの性質上、一度室内を温めると、タイルがその温度を吸収して、しばらくは床が温かいという状態になります。
しかし人間は不思議なもので、気温25度の室内は暑いですが、25度の物に触っても温かいと感じません。
それどころか、体温よりも低いものに触れると「冷たい」と感じることの方が多いかもしれません。
つまり、タイルに保温効果はあれど、メリットといえるかは・・・微妙なところですね。
◎耐久性がある
タイルは、傷やへこみが生じやすいフローリングと比べると、傷つきにくい素材です。
また、紫外線による劣化も防ぎます。
そのため、はりかえるというメンテナンス費用のことだけを考えるとフローリングよりも安いといえるでしょう。
●デメリットを紹介
●表面が冷たい
タイルの性質上、表面が冷たくひやっとします。
海外のように、室内で靴を脱ぐ習慣がなければいいのかもしれませんが、日本は脱ぎます。
夏は良いかもしれませんが、冬は過酷かもしれません。
歩くにも、座るにも、寝転ぶにも、ひやっとしてしまうのはデメリットといえるでしょう。
もちろん、床暖を設置するという対処法はありますが、その分費用はかかってしまいます。
●表面が硬い
こちらも性質上、表面が硬いのはどうすることもできません。
床が硬いと足腰に負担がかかります。
長時間立ったまま作業を行う場合は、疲れやすく辛いでしょう。
生活に家事はつきものですので、こちらも考えた上で選択すると良いかと思います。
また、床が硬いので、硬い物を落としてしまうと、物が割れたり、床のタイルが欠けたり割れたりしてしまうことがあります。
子どもが転倒した際のリスクも大きいです。
このあたりもデメリットといえるでしょう。
●目地のざらざらは避けられない
タイルは種類にもよりますが、ツルッとしていて触り心地が良いなんてものもたくさんあります。
しかし、目地材はセメント質なので、どうしてもザラザラしてしまいます。
これは、慣れもあるかもしれませんが、例えば靴下を履いて歩いていると目地に毛がひっかかってしまうなんてこともあるかもしれません。
そうすると、もちろん穴があいてしまう原因となるのでスリッパが必要ということになります。
●導入コストが高い
タイルはフローリング材に比べると高価で、導入コストが高いのも事実です。
しかし、メリットの「耐久性がある」というところで紹介したように、傷つきにくいことを考えるとメンテナンス費用は安いとも言えます。
◆選択するのはあなたです
海外では床材をタイルにすることが主流な国もあるため、タイルの種類は豊富です。
モダンな家にしたい場合は石目調を、カントリー風な家にしたい場合はテラコッタをといったように、選択肢はたくさんあります。
デザイン的にはとても優れていますが、ここまでお話したように、日本の生活スタイルを考えるとデメリットが多いことも避けられません。
これらを踏まえて、何を選択するか考えてみてください。
ご参考にしていただければ幸いです。